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PCCS・マンセル・オストワルトの違い|色相環で決まる配色センス

配色センスと色相環

配色センスは感覚だけでなく、「色相環のルール」を理解することで大きく向上する。

色相環にはマンセル・オストワルト・PCCSなど複数の体系があり、それぞれ色の捉え方や目的が異なる。

そのため、それぞれの特徴を理解することは、デザインやイラスト、ファッションにおける配色力の向上につながる。

表色系とは

表色系*ひょうしょくけい
color system
カラー・システム
とは、色を数値や記号で体系化し、共通認識として扱えるようにした仕組みである。

表色系には、視覚的な見え方を基準にしたものや、混色理論を基準にしたものなど、さまざまな種類が存在する。

顕色系

顕色系*けんしょくけい
color appearance system
カラー・アピアランス・システム
とは、色相・明度・彩度を基準に、人間の視覚上で等間隔に感じられるよう体系化した表色系である。

代表的な顕色系

・マンセル表色系
・NCS表色系
・PCCS
・JIS標準色票
・オストワルト表色系

混色系

混色系*こんしょくけい
mixed color system
ミックスド・カラー・システム
とは、光や色材の混合原理を基準として色を体系化した表色系である。

代表的な混色系

・CIE表色系(XYZ表色系)
・RGB表色系
・CMYK表色系

色材混合系

色材混合系*しきざいこんごうけいとは、顔料や染料などの着色材を一定比率で混合し、その色変化を見本として整理したものである。

代表的な色見本

・DICカラーガイド
・PANTONE
・日本塗料工業会 色見本帳
・塗装用標準色見本帳
・TOYO COLOR FINDER

色相環とは

色相環*しきそうかんとは、色相の変化を円環状に配置したもので、色同士の関係性を整理するための基本構造である。

色相は本来、連続的に変化するが、実用上は一定数に分割して扱われる。色相環は、補色関係や類似色関係を視覚的に把握するために用いられる。

24色相の共通構造

多くの色相環は、色相を「12分割」またはその倍である「24分割」で構成されている。

まず基本となる主要色相を等間隔に配置し、その間に中間色を補間することで連続的な色相環を形成する。

この24分割構造は、補色関係を明確にし、配色バランスを視覚的に理解しやすくするための共通的な設計である。

PCCSの色相環

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PCCS*日本色研配色体系
Practical Color Coordinate System
プラクティカル カラー コーディネート システム
は、1964年*昭和39年に日本色彩研究所が開発した配色実践向けのカラーシステムである。

マンセル表色系の「視覚的な分かりやすさ」と、オストワルト表色系の「補色関係」を取り入れ、配色の実務性を重視している。

24色相

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PCCSでは、心理四原色である「赤・黄・緑・青」を基準として24色相を構成している。

トーンとは、明度と彩度を組み合わせた色調のことであり、色の雰囲気や印象を決める重要な概念である。

PCCSでは、同じトーンに属する色同士は調和しやすいとされている。

まず、心理四原色を円周上に配置し、それぞれの心理補色を対向位置に置く。

さらに、各色相の間隔が視覚的に均等に感じられるよう中間色を補間することで、「12色相」が構成される。

トーン

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PCCS最大の特徴が「トーン」の概念である。

トーン*toneとは、明度と彩度を組み合わせた色調のことであり、色の雰囲気や印象を表す指標として用いられる。

PCCSでは、同じトーンに属する色同士は調和しやすいとされており、色相が異なっていてもトーンを統一することで、まとまりのある配色を作りやすくなる。

また、PCCSでは24色相を基準として、有彩色を12種類のトーンに分類している。

さらに、無彩色を加えた「トーンマップ」によって、色の関係性や配色イメージを視覚的に把握しやすく整理している。

そのため、PCCSはWebデザイン・広告・イラスト・ファッションなど、実際のデザイン現場で広く活用されている。

PCCS記号

PCCSでは、色相・明度・彩度を組み合わせた「PCCS記号」によって色を表記する。

また、トーンを重視するPCCSでは、色相を省略し、明度と彩度による色調だけを表す「トーン記号」も用いられる。

これにより、色の雰囲気や配色イメージを直感的に共有しやすくなっている。

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PCCS記号
色の三属性「色相・明度・彩度」を表す表記方法。

トーン記号
色の二属性「明度・彩度」を表す表記方法。

マンセル色相環

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マンセル色相環とは、アメリカの美術教師 マンセルによって考案された表色系である。

色の三属性「色相・明度・彩度」に基づき、視覚的に均等になるよう整理されている点が特徴で、現在でも色彩教育やJIS規格などで広く用いられている。

profile

アルバート・ヘンリー・マンセル*Albert Henry Munsell

アメリカの美術教師、画家

1858/1/6 – 1918/6/28

色名による表現の曖昧さを解消するため、1898年から色彩体系の研究を開始した。

1905年に著書「色彩の表記*A Color Notation
ア・カラー・ノーテーション
」を発表し、その後1943年にアメリカ光学会による視感評価実験を経て修正された体系が、現在のマンセル表色系の基礎となっている。

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1905年に著書「色彩の表記」を発表し、その後の視感評価実験を経て改良された体系が現在のマンセル表色系の基礎となっている。

色相

マンセル色相環は、主要5色相である。「赤*R黄*Y緑*G青*B紫*P」 を基準としている。

さらに、中間色である 「黄赤*YR黄緑*GY青緑*BG青紫*PB赤紫*RP」を加えた「10色相」を基準として構成されている。

さらに各色相を10等分することで、より細かな色相変化を表現している。

明度

明度*めいどは、理想的な白を「10」、理想的な黒を「0」とし、明度を数値によって表現する。

ただし、完全な白や黒は物理的には存在しないため、一般的には白を「9.5」、黒を「1.5」程度として扱われる。

彩度

彩度*さいどは、無彩色を「0」とし、色の鮮やかさを知覚的に等間隔となるよう数値化している。

色によって最大彩度は異なるが、一般的には最大値「14」付近まで用いられる。

マンセル記号

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色を記号や数字で表すことにより、言語の違いに関係なくコミュニケーションが取りやすくなる。

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オストワルト色相環

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オストワルト色相環は、ドイツの化学者・色彩学者 オストワルトによって考案された体系である。

補色関係*反対色を重視しており、向かい合う色同士は強いコントラストを生む。

profile

フリードリヒ・ヴィルヘルム・オストヴァルト*Friedrich Wilhelm Ostwald

ドイツの科学者・色彩学者

1853/9/2 – 1932/4/4

触媒作用*しょくばいさよう化学平衡*かがくへいこう、反応速度に関する業績が認められ、1909年にノーベル化学賞を受賞。

反対色説

オストワルト色相環は、ドイツの生理学者 ヘリングによる「反対色説」を基礎としている。

これは、人間の視覚が 「赤 – 緑」 「黄 – 青」 のような対立関係によって色を知覚するという考え方である。

ヘリングは、1801年に提唱された ヤング=ヘルムホルツの「三色説」に対して、赤と緑を加法混合で黄が知覚されるという考えに無理があると考え、1874年に「反対色説」を発表した。

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へリングの反対色説に基づき、「赤 – 緑」「黄 – 青」をそれぞれの向き合う位置に配置した 4色の間に、中間色である「橙 – 青緑」「黄緑 – 紫」を加え 8色にする。さらに各色相をそれぞれ 3等分にして配置した「24色相」によって表現されている。

また、マンセル色相環と同様に、色相環上で向かい合っている色同士を混色すると、白・灰色・黒などの無彩色に近づく関係となる。このような関係を「物理補色」という。

profile

カール・エヴァルト・コンスタンチーン・ヘリング*Karl Ewald Konstantin Hering

ドイツの生理学者、神経科学者

1834/8/5 – 1918/1/26

人間の色覚研究で大きな功績を残した人物であり、「反対色説」を提唱したことで知られる。

赤と緑、黄と青のような対立する色の関係によって色覚が成り立つと考え、現代の色彩心理や視覚研究にも大きな影響を与えた。

24色相

オストワルト色相環は、ヘリングの反対色説を基礎として構成されている。

まず「赤 – 緑」「黄 – 青」という反対色*補色関係を基本軸として配置し、その間に中間色を段階的に補間することで、色相の連続性を作っている。

さらに、主要な反対色の間に2色ずつ中間色を加えて8色相とし、これをさらに均等に分割していくことで最終的に「24色相」に体系化されている。

この24色相は、色相環上での補色関係を視覚的に理解しやすくするために設計されており、特に強いコントラストを伴う配色設計の基礎として用いられる。

オストワルト記号

 

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色を記号や数値で表すことにより、言語の違いに関係なく円滑にコミュニケーションを行うことが可能となる。

色相は「1~24」の数値で表記され、白色量と黒色量は「a~p」までの記号で示される。これらは「ヴェーバー・フェヒナーの法則」に基づき、対数的に等間隔で目盛られている。

ヴェーバー・フェヒナーの法則

オストワルト表色系における白色量・黒色量の目盛りは、人間の感覚が物理的な刺激量に対して直線的ではなく、対数的に変化するという「ヴェーバー・フェヒナーの法則」に基づいて設計されている。

そのため、白から黒までの変化は等間隔の物理的変化ではなく、人間の視覚上で等間隔に感じられるように調整されている。

profile

エルンスト・ハインリヒ・ヴェーバー*Ernst Heinrich Weber

ドイツの生理学者、解剖学者

1795/6/24 – 1878/1/26

感覚と刺激の関係を研究した生理学者であり、「ヴェーバーの法則」を提唱したことで知られる。

刺激の差を知覚できる最小差「弁別閾*べんべついき」の研究を行い、後の心理物理学の基礎を築いた。

グスタフ・テオドール・フェヒナー*Gustav Theodor Fechner

ドイツの物理学者、哲学者、心理学者

1801/4/19 – 1887/11/18

ヴェーバーの研究を発展させ、「フェヒナーの法則」を提唱した心理学者。

人間の感覚量と物理的刺激の関係を数式化し、心理物理学を体系化した人物として知られている。

PCCS・マンセル・オストワルトの違い

代表的な色相環には「PCCS」「マンセル」「オストワルト」があり、それぞれ色の整理方法や重視している考え方が異なる。

PCCSは配色調和とトーン、マンセルは視覚的な均等性、オストワルトは補色関係と混色理論を重視して構成されている。

そのため、同じ色相環であっても、色の配置や配色の考え方、活用される分野には違いがある。

PCCS

特徴
配色実務

色相数
24色相

重視
トーン調和

用途
デザイン

マンセル

特徴
知覚均等

色相数
10色相

重視
視覚的正確性

用途
色彩教育・JIS規格

オストワルト

特徴
反対色・理論

色相数
24色相

重視
補色関係

用途
色彩理論研究

実務では理論的な厳密性よりも、配色の再現性や共有のしやすさが重視されるため、PCCSが最も広く使用されている。

結局どの色相環を覚えるべきか

マンセルは「色の正確な理解」、オストワルトは「補色関係の理解」、PCCSは「実践的な配色」に適している。

特にデザイン実務では、トーンによる配色が扱いやすいPCCSが最も実用的である。

THANKS

最後まで読んでくれた方はもちろん、途中までお付き合いいただいた方にも心から感謝いたします。
この記事が、あなたの「なぜ?」を見つけるほんの小さなヒントになりますように。

はじめの一歩色あそび見せかた