紙の種類
紙とは、植物繊維、その他の繊維を絡み合わせて、膠着(こうちゃく / しっかりくっついて離れにくくなること)させて、薄く平らに製造したもので、紙を大きく分類すると、「紙」と「板紙」の 2つに分けられる。さらに紙は、原料により「和紙」と「洋紙」の2つに分けることができる。
和紙
欧米から伝わった西洋紙(洋紙)に対して「日本古来の製法」による手すきでつくられた紙のこと。7世紀初期(610年)に中国の紙の製紙技術を、朝鮮の古代三国の一つである高句麗(こうくり)の僧侶、曇徴(どんちょう)により日本に伝えられたといわれる。
その後、中国の技法「溜め漉き(ためずき)」ではなく、日本は独自の製法を編み出した「流れ漉き(ながれすき)」という漉き方で日本各地に広まった。和紙の主な原料は楮(こうぞ)、三椏(みつまた)、雁皮(がんぴ)で、それぞれ、靭皮(じんぴ)という部分が使われている。
長い繊維を十分に絡み合わせ「ネリ」と言われる植物性粘液を混入して、水の中で攪拌(かくはん)し一枚一枚漉きあげ乾燥して作られるため、薄くて水に強い、しなやかで軽い、通気性に富んで手触りが良いといった、独特の風合いや保存性の高さが特徴である。
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曇徴 どんちょう
生没年不詳
古代朝鮮の高麗の僧
610年(推古天皇 18年)に、高句麗の第 26代の王 嬰陽王(えいようおう)が法定(ほうじょう)とともに日本の朝廷に貢上し、来日した僧。
五経(ごけい / 儒教で基本経典とされる経書の総称)に通じ、彩色(絵画)、紙墨の製法、水力を利用した臼の製法などを日本に伝えたとされる。
曇徴 どんちょう
生没年不詳
古代朝鮮の高麗の僧
610年(推古天皇 18年)に、高句麗の第 26代の王 嬰陽王(えいようおう)が法定(ほうじょう)とともに日本の朝廷に貢上し、来日した僧。
五経(ごけい / 儒教で基本経典とされる経書の総称)に通じ、彩色(絵画)、紙墨の製法、水力を利用した臼の製法などを日本に伝えたとされる。
洋紙
明治初年に西洋から伝わった機械抄き(きかいすき)でつくられる紙の総称で、手すきの和紙と区別して呼んだことに由来する名称。しかし、現在では「和紙」と呼ばれていた紙も機械で漉くことがあるので、はっきりとした定義はないようだ。
和紙の主な原料は木材パルプ、綿、麻などが使われている。
板紙
機械抄きの板のように厚くかたい紙の総称で、薄い紙が何枚か重なってできた積層紙(せきそうし)でできている。