秋の合わせ色目
秋の合わせ色目とは、袷*あわせ仕立ての衣において、秋の情景や自然といった季節感を表すために選ばれた、表地と裏地の色の組み合わせのこと。紅葉や実りを思わせる、深みと落ち着きのある色調が主に用いられている。
萩 はぎ
芽子 はぎ
紫 / 白
別説 合わせ色目(表 / 裏)
蘇芳 / 青
秋の山野に咲く萩の花と、その葉の色を表した色の重なり
6月 / 7月
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萩経青 はぎたてあお
経糸 = 青 / 緯糸 = 蘇芳 / 青
別説 合わせ色目(表 / 裏)
経糸 = 青 / 緯糸 = 紫 / 青
萩の花の紅と、青みを帯びた葉の色を重ね、秋の萩の風情を表す色の重なり
6月より秋
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萩重 はぎがさね
紫 / 二藍
別説 合わせ色目(表 / 裏)
紫 / 淡紫
萩の花の色を基調として、葉の緑を添えて、秋草としての萩の姿を表した色の重なり
秋
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女郎花 おみなえし
敗醬 おみなえし
経糸 = 青 / 緯糸 = 黄 / 青
別説 合わせ色目(表 / 裏)
青 / 萌黄
秋の野に群れて咲く女郎花の、淡い黄色の花を思わせる色の重なり
7月 / 8月
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朽葉 くちば
濃紅 / 濃黄
別説 合わせ色目(表 / 裏)
山吹色 / 黄
秋が深まり、色あせてゆく木の葉の趣を表した色の重なり
秋
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青朽葉 あおくちば
経糸 = 青 / 緯糸 = 蘇芳 / 青
別説 合わせ色目(表 / 裏)
黄 / 青
秋に向かい色づき始めた木の葉の、かすかに青みを残す姿を写した色の重なり
主に秋
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赤朽葉 あかくちば
経糸 = 紅 / 緯糸 = 黄 / 黄
別説 合わせ色目(表 / 裏)
経糸 = 淡紅 / 緯糸 = 黄 / 黄
晩秋のころ、紅を帯びて枯れゆく木の葉の色を写した色の重なり
秋深くなっては着ず
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黄朽葉 きくちば
朽葉 / 朽葉
別説 合わせ色目(表 / 裏)
黄 / 朽葉
晩秋のころ、黄を帯びて枯れゆく木の葉の色を写した色の重なり
秋末~冬初
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龍膽 りんどう
淡蘇芳 / 朽葉
別説 合わせ色目(表 / 裏)
蘇芳 / 萌黄
秋の野に、濃い緑の葉の間から紫の花をひっそりと咲かせる龍膽の姿を表した色の重なり
秋 / 9月より五節(11月)
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荻 おぎ
蘇芳 / 青
別説 合わせ色目(表 / 裏)
白 / 淡縹
湿地に生える荻が、秋風にそよぎ、青みを帯びた葉と穂をなびかせる姿を思わせる色の重なり
秋
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花薄 はなすすき
白 / 縹
別説 合わせ色目(表 / 裏)
白 / 淡縹
秋の野に、白くやわらかな穂を揺らす花薄の風情を表した色の重なり
秋の初め
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紫苑 しおん
紫 / 薄色
別説 合わせ色目(表 / 裏)
薄色 / 青
キク科の草 紫苑*しおんが、秋の野辺に淡い紫の花を群れて咲かせる姿を表した色の重なり
秋
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藤袴 ふじばかま
青 / 紫
別説 合わせ色目(表 / 裏)
淡紫 / 淡紫
秋草の中に、筒状の花を群れて咲かせる藤袴の、ほのかに紫を帯びた趣を表す色の重なり
秋
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紅葉 もみじ
赤 / 濃赤
別説 合わせ色目(表 / 裏)
黄 / 蘇芳
晩秋、霜を受けて赤く色づく楓の葉が山野を染める紅葉を表す色の重なり
秋
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楓紅葉 かえでもみじ
蝦手紅葉 かえでもみじ
淡青 / 朽葉
別説 合わせ色目(表 / 裏)
淡青 / 黄
秋、楓の葉が鮮やかに紅に染まるさまを表した色の重なり
9月〜11月
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初紅葉 はつもみじ
萌黄 / 薄萌黄
別説 合わせ色目(表 / 裏)
萌黄 / 青
秋の初め、緑の中にほのかに紅を差す初紅葉の趣を表す色の重なり
また、春に楓が芽吹いたばかりの初葉を表した色の重なりを、趣の転用として秋の季節に着用する色合わせでもある
秋
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黄紅葉 きもみじ
黄 / 濃黄
別説 合わせ色目(表 / 裏)
萌黄 / 蘇芳
秋深く、深山の楓が黄色く色づく趣を表した色の重なり
9月 / 10月
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青紅葉 あおもみじ
青 / 朽葉
別説 合わせ色目(表 / 裏)
萌黄 / 黄
初夏から盛夏にかけて、光を透かす青々とした紅葉の葉を表す色の重なり
秋
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櫨紅葉 はじもみじ
蘇芳(黒みあり) / 黄
別説 合わせ色目(表 / 裏)
淡紅 / 黄
秋に櫨の葉が紅く色づくさまを映した、深みのある色の重なり
9月 / 10月 / 11月
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桔梗 ききょう
二藍 / 濃青
別説 合わせ色目(表 / 裏)
二藍 / 青
秋の山野に咲く桔梗*ききょうの、澄んだ紫の花の姿を表す色の重なり
秋
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小栗色 こぐりいろ
秘色 / 淡青
別説 合わせ色目(表 / 裏)
瑠璃色 / 淡青
熟す前の栗の実を思わせる、やや淡い褐色を基調とした色の重なり
秋
年配の男性向け
落栗色 おちぐりいろ
蘇芳(黒み深し) / 香
別説 合わせ色目(表 / 裏)
濃紅 / 香
地に落ちた栗の実の、深く落ち着いた褐色を表す色の重なり
秋
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檀 まゆみ
真弓 まゆみ
朽葉 / 萌黄
別説 合わせ色目(表 / 裏)
蘇芳 / 黄
山野に自生する落葉樹の檀*まゆみが、秋に色づく実や葉の、やわらかな色合いを映した色の重なり
秋
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槿 むくげ
牽牛子 あさがお
縹 / 縹
別説 合わせ色目(表 / 裏)
空色 / 空色
夏の朝に咲く槿の、澄んだ花色が葉の緑に映えるさまを表した色の重なり
なお、槿は平安時代において「あさがお」と混同され、同義的に用いられたとされる
秋
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忍 しのぶ
淡萌黄(黄気あり) / 蘇芳
別説 合わせ色目(表 / 裏)
淡萌黄 / 青
羊歯類の一種である忍草が、樹皮や岩面、あるいは古い屋根瓦などにひそやかに生える姿と、その落ち着いた緑を表した色の重なり
秋
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櫨 はじ
朽葉 / 黄
別説 合わせ色目(表 / 裏)
赤 / 黄
秋になり、山櫨*やまはぜが黄から紅へと移ろう姿を表した色の重なり
秋 / 9月〜11月
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菊 きく
白 / 青
秋を代表する菊の花の、気品ある姿を映した色の重なり
8月~冬至
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蘇芳菊 すほうぎく
白 / 濃蘇芳
別説 合わせ色目(表 / 裏)
白 / 蘇芳
冬近くの白菊が雪や霜に遭い、花の周囲から次第に紫色へと移ろっていくさまを表す色の重なり
秋
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九月菊 くがつぎく
白 / 黄
九月の頃に咲く菊の、秋の深まりを感じさせる色の重なり
9月は「菊月」と呼ばれ 9月9日に行われる重陽の節句*ちょうようのせっくにちなんで作られたとされる色合わせ
9月
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黄菊 きぎく
黄 / 青
秋の日差しを受けて咲く、黄菊の明るい花色を表す重なりり
9月より五節(11月)
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紅菊 くれないぎく
紅 / 青
別説 合わせ色目(表 / 裏)
紅 / 萌黄
紅を帯びた菊の花の、華やかさを映した色の重なり
秋
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移菊 うつろいぎく
紫 / 黄
別説 合わせ色目(表 / 裏)
紫 / 青
色の異なる菊が重なり合うさまを表した、変化のある色の重なり
秋
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莟菊 つぼみぎく
紅 / 黄
別説 合わせ色目(表 / 裏)
黄 / 濃青
花開く前の菊の莟の、慎ましやかな趣を表す色の重なり
秋
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葉菊 はぎく
白 / 紺青
別説 合わせ色目(表 / 裏)
白 / 青
花よりも葉の美しさを引き立てた、深い緑を基調とする色の重なり
9月より五節(11月)
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白菊 しらぎ
白 / 萌黄
別説 合わせ色目(表 / 裏)
白 / 蘇芳
白く清らかな菊の花の、静かな美しさを表す色の重なり
9月より五節(11月)
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菊重 きくがさね
白 / 淡紫
別説 合わせ色目(表 / 裏)
白 / 紫
菊の花を重ね合わせたような、奥行きのある色の重なり
秋
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花菊 はなぎく
淡蘇芳 / 濃蘇芳
咲き誇る菊の花の姿を映した華やかな色の重なり
蘇芳色にうつろった蘇芳菊、または後世に栽培された西洋菊を表していると考えられる
秋
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月草 つきくさ
鴨頭草 つきくさ
縹 / 淡縹
別説 合わせ色目(表 / 裏)
縹 / 縹
野原や路肩に自生する鴨頭草*つきくさが、夏の野に咲き、朝露に濡れて青く映える月草の花を表した色の重なり
秋
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梶 かじ
楮 かじ
萌黄 / 濃萌黄
別説 合わせ色目(表 / 裏)
萌黄 / 萌黄
暖地に自生する落葉樹である梶が、夏の海辺に繁り、深く青い葉を重ねる姿を思わせる色の重なり
秋
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