その他の日本の伝統色
JIS慣用色名やDIC日本の伝統色などの規格・色見本帳に収録されている色のほかにも、日本には古くから受け継がれてきた伝統色が数多く存在する。
これらの色は、和歌や文学、染織、陶芸、季節の草花など、日本の自然や文化、暮らしの中から生まれ、長い歴史の中で親しまれてきた色名である。
伝統色の多くは、公的な規格によって厳密な色の範囲が定められているわけではなく、時代や地域、資料によって色味が異なる場合もある。
しかし、それぞれの色名には日本人の美意識や四季の移ろい、歴史や文化が反映されており、日本の色彩文化を知る上で重要な役割を担っている。
色名カテゴリー
色名の由来をもとに、植物・鉱物・動物・食材・自然・人工物・文化などのカテゴリーに分類して紹介する。
植物
花・果実・野菜・樹木・木の実・穀物など、植物に由来する色名。植物が持つ自然な色合いや季節ごとの彩り、収穫物の特徴などをも名付けられている。
和色名*わしきめいとは、日本で古くから親しまれてきた伝統的な色の呼び名のこと。
植物や動物、鉱物、染料、生活用品など、身近なものから受けた印象や特徴をもとに名付けられたものが多く、日本の自然や文化、暮らしと深く結びついている。
赤朽葉
あかくちば
赤朽葉
赤 = 赤
朽葉 = 朽葉
今にも枝から落ちそうな枯れた葉のような赤みがかったくすんだ黄赤色
sf-O
やわらかい黄赤
5YR 5/14
#DB8449
74 / 0 / 18 / 58
219 / 132 / 73
油色
あぶらいろ
油の色
油 = 油
色 = 色 / 色彩
菜種油のようなくすんだ黄色
mg-Y
灰みの黄
5Y 6/4
#A19361
45 / 42 / 67 / 0
161 / 147 / 97
淡朽葉
うすくちば
淡い朽葉
淡 = 淡い
朽葉 = 朽葉
橙みがかった渋くて明るい茶色
sf-rY
やわらかい赤みの黄
–
#CE944D
25 / 48 / 74 / 0
206 / 148 / 77
柿茶
かきちゃ
柿茶
柿 = 柿
茶 = 茶
茶みがかった柿色
dl-O
くすんだ黄赤
2.5YR 7/8
#954E2A
47 / 77 / 94 / 12
149 / 78 / 42
枯色
かれいろ
枯れた色
枯 = 枯れた
色 = 色 / 色彩
草の枯れたようなやわらかい赤みがかったくすんだ黄色
–
5Y 8/4
#E0C38C
17 / 26 / 49 / 0
224 / 195 / 140
黄橡
きつるばみ
黄橡の色
黄 = 黄
橡 = 橡
ツルバミの灰汁媒染で染めた黄褐色の赤みがかったくすんだ黄色
mg-O
灰みの黄赤
7.5YR 6/18
#977250
49 / 59 / 73 / 3
151 / 114 / 80
栗色
くりいろ
栗の色
栗 = 栗*くり
/ ブナ科クリ属の落葉高木
色 = 色 / 色彩
熟した栗の実の皮のような暗い赤褐色
dl-O
こい黄赤
5YR 9/3
#762F07
52 / 87 / 100 / 31
118 / 47 / 7
団栗色
どんぐりいろ
団栗の色
団栗 = 団栗
色 = 色 / 色彩
どんぐりの外皮のような渋みのある茶色
dl-Y
くすんだ黄
5Y 5/6
#8A702F
53 / 57 / 96 / 7
138 / 112 / 47
紅柑子
べにこうじ
紅柑子
紅 = 紅
柑子 = 柑子
ベニコウジの実のような紅色を帯びた柑子色
st-O
つよい黄赤
10R 4/10
#AB4A24
40 / 82 / 100 / 4
171 / 74 / 36
鉱物・金属
鉱石・宝石・顔料・金属などに由来する色名。鉱物や金属特有の光沢や質感、美しい発色を表現した色名が多く見られる。
和色名とは、日本で古くから親しまれてきた伝統的な色の呼び名のこと。
植物や動物、鉱物、染料、生活用品など、身近なものから受けた印象や特徴をもとに名付けられたものが多く、日本の自然や文化、暮らしと深く結びついている。
赤銅色
しゃくどういろ
赤銅の色
赤 = 赤
銅 = 銅
色 = 色 / 色彩
赤銅のような暗い黄赤色
dp-O
こい黄赤
5YR 9/3
#762F07
52 / 87 / 100 / 31
118 / 47 / 7
赭
そお、そほ
赭の色
赭 = 赭
赤土のくすんだ黄赤色
dl-yR
くすんだ黄みの赤
10R 5/6
#AB6953
41 / 67 / 67 / 1
171 / 105 / 83
動物
鳥・魚・昆虫・甲殻類・動物の毛や羽などに由来する色名。生き物の体色や模様、羽や毛並みの特徴を表した色名が数多く存在する。
和色名とは、日本で古くから親しまれてきた伝統的な色の呼び名のこと。
植物や動物、鉱物、染料、生活用品など、身近なものから受けた印象や特徴をもとに名付けられたものが多く、日本の自然や文化、暮らしと深く結びついている。
海老色
えびいろ
海老の色
海老 = 海老
色 = 色 / 色彩
伊勢海老の殻のような紫みがかった暗い赤色
dk-R
くらい赤
7.5R 2/8
#7A1E2A
51 / 97 / 85 / 28
122 / 30 / 42
蝉の羽色
せみのはねいろ
蝉の羽の色
蝉 = 蝉
羽 = 羽
色 = 色 / 色彩
アブラゼミの羽根、または抜け殻のような茶色
dk-O
くらい黄赤
5YR 7/10
#6B4224
57 / 74 / 95 / 31
107 / 66 / 36
紅鳶
べにとび
紅色の鳶色
紅 = 紅
鳶 = 鳶
鳶色をさらに赤くした赤褐色
dl-yR
くすんだ黄みの赤
7.5R 4/8
#9A493F
45 / 81 / 77 / 9
154 / 73 / 63
食材・飲料
食品・香辛料・菓子・酒・飲み物などに由来する色名。身近な食材や飲料の色味をもとに名付けられた、親しみやすい色名が多い。
和色名とは、日本で古くから親しまれてきた伝統的な色の呼び名のこと。
植物や動物、鉱物、染料、生活用品など、身近なものから受けた印象や特徴をもとに名付けられたものが多く、日本の自然や文化、暮らしと深く結びついている。
阿仙茶
あせんちゃ
阿仙茶
阿仙 = 阿仙
茶 = 茶
赤みをおびた茶色
dl-O
くすんだ黄赤
10YR 6/14
#B67A20
37 / 58 / 98 / 0
182 / 122 / 32
羊羹色
ようかんいろ
羊羹の色
羊羹 = 羊羹
色 = 色 / 色彩
和菓子のヨウカンのような赤みがかったこい茶色
dg-O
くらい灰みの黄赤
5YR 9/6
#542D24
0 / 46 / 57 / 67
84 / 45 / 36
自然・自然現象
空・海・川・雪・火・虹・天候・季節など、自然や自然現象に由来する色名。風景や気象、四季の移り変わりを感じさせる色合いが特徴。
和色名とは、日本で古くから親しまれてきた伝統的な色の呼び名のこと。
植物や動物、鉱物、染料、生活用品など、身近なものから受けた印象や特徴をもとに名付けられたものが多く、日本の自然や文化、暮らしと深く結びついている。
該当する色名なし
人工物・素材
布・陶器・瓦・紙・染料・建築材料・道具など、人の手によって作られたものや素材に由来する色名。伝統工芸や建築、日用品など、暮らしの中で親しまれてきた色が含まれる。
和色名とは、日本で古くから親しまれてきた伝統的な色の呼び名のこと。
植物や動物、鉱物、染料、生活用品など、身近なものから受けた印象や特徴をもとに名付けられたものが多く、日本の自然や文化、暮らしと深く結びついている。
淡香
うすこう
淡い香色
淡 = 淡い
香 = 香
丁子で染めた灰みがかった薄い黄茶色
lt-rY
あかるい赤みの黄
–
#F0CFA0
9 / 23 / 40 / 0
240 / 207 / 160
空五倍子色
うつぶしいろ
空五倍子の色
空五倍子 = 空五倍子
色 = 色 / 色彩
五倍子*ふしで染めた灰みがかった暗い黄赤色
mg-O
灰みの黄赤
10YR 7/16
#736250
61 / 61 / 69 / 11
115 / 98 / 80
梅染
うめぞめ
梅で染めた色
梅 = 梅
染 = 染め
梅屋渋*うめやしぶで染めた赤みの薄茶色
lg-rY
あかるい灰みをおびた赤みの黄
2.5YR 6/1
#B48A76
36 / 51 / 52 / 0
180 / 138 / 118
伽羅色
きゃらいろ
伽羅の色
伽羅 = 伽羅
色 = 色 / 色彩
香木の伽羅*きゃらで染めたやわらかい黄赤色
sf-rY
やわらかい赤みの黄
2.5YR 4/8
#DA9467
18 / 50 / 60 / 0
218 / 148 / 103
濃香
こいこう
濃い香色
濃 = 濃い
香 = 香
香木で染めた高位な香色より濃い茶色
mg-O
灰みの黄赤
5YR 6/16
#AB7851
41 / 59 / 72 / 1
171 / 120 / 81
焦香
こがれこう
焦がれた香色
焦 = 焦がれた
香 = 香
高価な香木を使い、何回も染め重ねた香色のくすんだ濃い黄赤色
dl-O
くすんだ黄赤
2.5YR 5/16
#AE7C58
39 / 57 / 68 / 0
174 / 124 / 88
渋紙色
しぶがみいろ
渋紙の色
渋紙 = 渋紙
色 = 色 / 色彩
渋紙のような暗い黄赤色
dl-O
くすんだ黄赤
2.5YR 6/16
#946243
49 / 67 / 78 / 7
148 / 98 / 67
丁子染
ちょうじぞめ
丁子で染めた色
丁子 = 丁子
染 = 染め
丁字*ちょうじの蕾で染めたくすんだ赤みがかった黄色
dl-yR
くすんだ黄みの赤
7.5YR 6/16
#AD7D4C
40 / 56 / 76 / 0
173 / 125 / 76
櫨色
はじいろ
波目色
はじいろ
櫨の色
櫨 = 櫨
色 = 色 / 色彩
山櫨*やまはぜで染めた赤みがかった深い黄色
sf-rY
やわらかい赤みの黄
5YR 5/16
#B77B57
35 / 59 / 67 / 0
183 / 123 / 87
柴染
ふしぞめ
柴で染めた色
柴 = 柴
染 = 染め
柴木の煎汁で染めた暗い灰みがかった黄赤色
lg-rY
あかるい灰みをおびた赤みの黄
7.5YR 6/1
#B28C6E
37 / 49 / 57 / 0
178 / 140 / 110
紅鬱金
べにうこん
紅鬱金
紅 = 紅
鬱金 = 鬱金
鬱金*うこんと紅花で染めた黄みがかった深い黄赤色
sf-O
やわらかい黄赤
2.5YR 5/12
#DA7B4A
18 / 62 / 72 / 0
218 / 123 / 74
煉瓦色
れんがいろ
煉瓦の色
煉瓦 = 煉瓦
色 = 色 / 色彩
レンガのような赤褐色
dl-yR
くすんだ黄みの赤
10R 5/10
#B55233
36 / 80 / 87 / 2
181 / 82 / 51
地名・文化
国・地域・民族・歴史・風俗・芸術・建築様式などに由来する色名。地域の文化や歴史、伝統、美術などを反映し、その土地ならではの特色が表れている。
和色名とは、日本で古くから親しまれてきた伝統的な色の呼び名のこと。
植物や動物、鉱物、染料、生活用品など、身近なものから受けた印象や特徴をもとに名付けられたものが多く、日本の自然や文化、暮らしと深く結びついている。
錆利休
さびりきゅう
錆びた利休茶
錆 = 錆
利休 = 利休
室町・安土桃山時代の茶人 千利休*せんのりきゅうにちなんだ「利休茶」に赤系顔料の「代赭*たいしゃ」を加えたくすみのある渋い茶色
mg-Y
灰みの黄
2.5Y 5/3
#877254
55 / 56 / 71 / 4
135 / 114 / 84
肥後煤竹
ひごすすたけ
肥後煤竹
肥後 = 肥後
煤竹 = 煤竹
黒みがかった黄褐色
mg-Y
灰みの黄
2.5Y 5/3
#897858
54 / 53 / 69 / 3
137 / 120 / 88
吉岡染
よしおかぞめ
吉岡流の染色
吉岡 = 吉岡
染 = 染め
安土桃山時代の吉岡流剣術の創始者 吉岡憲法*よしだけんぽうんによって考案された染色のややオリーブみがかった暗い茶色
dg-O
くらい灰みの黄赤
7.5YR 8/18
#543F32
66 / 72 / 79 / 36
84 / 63 / 50
色彩・概念
色名そのもの・明暗・鮮やかさ・流行色・感情・印象・抽象概念などに由来する色名。具体的な物ではなく、色の性質やイメージ、感覚をもとに名付けられている。
和色名とは、日本で古くから親しまれてきた伝統的な色の呼び名のこと。
植物や動物、鉱物、染料、生活用品など、身近なものから受けた印象や特徴をもとに名付けられたものが多く、日本の自然や文化、暮らしと深く結びついている。
黒茶
くろちゃ
黒茶
黒 = 黒
茶 = 茶
黒みを帯びた茶色
dk-O
くらい黄赤
7.5YR 9/6
#583822
62 / 75 / 91 / 41
88 / 56 / 34
茶褐色
ちゃかっしょく
茶褐色
茶 = 茶
褐 = 褐
やや黒みがかった濃い茶色
dg-O
くらい灰みの黄赤
2.5YR 7/12
#664032
59 / 75 / 80 / 31
102 / 64 / 50
苦色
にがいろ
苦色
苦 = 苦
色 = 色 / 色彩
香色のやや黒みがかった黄
mg-Y
灰みの黄
5Y 6/2
#93866C
50 / 47 / 59 / 0
147 / 134 / 108
灰茶
はいちゃ
灰色の茶
灰 = 灰
茶 = 茶
灰みがかったくすんだ茶色
dl-O
くすんだ黄赤
5YR 6/16
#98623C
47 / 67 / 84 / 7
152 / 98 / 60
