日本の伝統色
日本の伝統色とは、日本の自然や四季、風景、動植物、染織文化などを由来とする色名の総称である。
古くから衣服や工芸品、建築などさまざまな場面で用いられ、日本人の美意識や生活文化を映し出してきた。ひとつひとつの色には季節や情景、縁起などの意味が込められており、現在でもデザインや伝統工芸をはじめ、幅広い分野で親しまれている。
なお、日本の伝統色には明確に一つの定義があるわけではなく、JIS慣用色名やDICカラーガイド、日本色彩研究所など、それぞれ異なる基準で色名が整理・収録されている。
本記事では、それぞれの分類ごとに日本の伝統色を紹介する。
JISの日本の伝統色
日本産業規格*にほんさんぎょうきかく
/ Japanese Industrial Standards
/ JISとは、製品やサービス、試験方法、用語などに関する日本の国家規格のこと。
色名については、JIS Z 8102「物体色の色名」に慣用色名が定められており、日本の自然や文化、伝統に由来する色名も数多く採用されている。
本記事では、日本古来の色名や外来語に由来するカタカナ色名を含むJIS慣用色名269色の中から、「紫系の色」を対象に、HEXカラーコード・CMYK値・RGB値・マンセル値(近似値)や色の特徴を一覧で紹介する。
日本では、紫系の色は高貴さや優雅さ、神秘性を象徴する色として古くから尊ばれてきた。また、藤や菫など植物に由来する色名のほか、染織や伝統工芸に由来する色名も多く、日本の豊かな文化や美意識が色名にも表れている。
色名カテゴリー
色名の由来をもとに、植物・鉱物・動物・食材・自然・人工物・文化などのカテゴリーに分類して紹介する。
植物
花・果実・野菜・樹木・木の実・穀物など、植物に由来する色名。植物が持つ自然な色合いや季節ごとの彩り、収穫物の特徴などをも名付けられている。
和色名*わしきめいとは、日本で古くから親しまれてきた伝統的な色の呼び名のこと。
植物や動物、鉱物、染料、生活用品など、身近なものから受けた印象や特徴をもとに名付けられたものが多く、日本の自然や文化、暮らしと深く結びついている。
藤色
ふじいろ
藤の色
藤 = 藤*ふじ
/ マメ科フジ属のつる性落葉木本
色 = 色 / 色彩
藤の花のような明るい青紫色
lt-V
あかるい青紫
10PB 6.5/6.5
#BBBCDE
30 / 25 / 0 / 0
187 / 188 / 222
藤紫
ふじむらさき
藤のような紫色
藤 = 藤*ふじ
/ マメ科フジ属のつる性落葉木本
紫 = 紫 / 紫みを帯びた
藤の花に似た、藤色よりやや濃い明るい青紫色
lt-V
あかるい青紫
0.5P 6/9
#A59ACA
40 / 40 / 0 / 0
165 / 154 / 202
董色
すみれいろ
スミレの花の色
董 = スミレ*スミレ科スミレ属の多年草
色 = 色 / 色彩
スミレの花のようなあざやかな青紫色
vv-V
あざやかな青紫
2.5P 4/11
#7057A3
65 / 70 / 0 / 0
112 / 87 / 163
菖蒲色
しょうぶいろ
ショウブの色
菖蒲 = 菖蒲*しょうぶ
/ ショウブ科ショウブ属の多年草
色 = 色 / 色彩
ハナショウブの花のような鮮やかな青みの紫色
vv-bP
あざやかな青みの紫
3P 4/11
#674196
70 / 82 / 0 / 0
103 / 65 / 150
茄子紺
なすこん
ナスのような紺色
茄子 = ナス*ナス科ナス属の一年草
紺 = 紺
ナスの実のような赤みの紺色
vd-P
ごくくらい紫
7.5P 2.5/2.5
#4B1F49
40 / 70 / 0 / 70
75 / 31 / 73
菖蒲色
あやめいろ
アヤメの色
菖蒲 = 菖蒲*あやめ
/ アヤメ科アヤメ属の多年草
色 = 色 / 色彩
アヤメの花のような明るい赤みの紫色
lt-rP
あかるい赤みの紫
10P 6/10
#B168A8
30 / 55 / 5 / 0
177 / 104 / 168
牡丹色
ぼたんいろ
ボタンの色
牡丹 = 牡丹*ぼたん
/ ボタン科ボタン属の落葉低木
色 = 色 / 色彩
ボタンの花のようなあざやかな赤紫色
vv-RP
あざやかな赤紫
3.5RP 5/14
#E7609E
2 / 75 / 0 / 0
231 / 96 / 158
外来語色名*がいらいごしきめいとは、外国の言語や文化から日本に取り入れられ、現在も使われている色の呼び名のこと。
植物や鉱物、食材、飲料、染料、地名などにちなんだものが多く、英語、フランス語、イタリア語など、さまざまな言語をもとにした色名がある。
ウィスタリア
Wistaria
Wistaria = 藤*ふじ
/ マメ科フジ属のつる性落葉木本
藤の花のような明るい青紫色
vv-V
あざやかな青紫
10PB 5/12
#8D93C8
50 / 40 / 0 / 0
141 / 147 / 200
パンジー
Pansy
Pansy = パンジー*スミレ科スミレ属の一年草
パンジーの花のような青みの強い紫色
dp-V
こい青紫
1P 2.5/10
#4D4398
80 / 80 / 0 / 0
77 / 67 / 152
ヘリオトロープ
Heliotorope
Heliotorope = ヘリオトロープ*ムラサキ科キダチルリソウ属の多年草
/ 木立瑠璃草 きだちるりそう
ヘリオトロープの花のような、あざやかな青紫色
vv-V
あざやかな青紫
2P 5/10.5
#9079B6
50 / 55 / 0 / 0
144 / 121 / 182
バイオレット
Violet
Violet = 紫色
スミレの花のような鮮やかな青紫色
vv-V
あざやかな青紫
2.5P 4/11
#7057A3
65 / 70 / 0 / 0
112 / 87 / 163
ラベンダー
Lavender
Lavender = ラベンダー*シソ科ラベンダー属の多年草
ラベンダーの花のような灰みを帯びた青みの紫色
mg-bP
灰みを帯びた青みの紫
5P 6/3
#CAB8D9
24 / 31 / 3 / 0
202 / 184 / 217
モーヴ
Mauve
Mauve = 銭葵*ぜにあおい
/ アオイ科ゼニアオイ属の二年草・多年草
銭葵の花のような灰みがかった紫色
st-bP
つよい青みの紫
5P 4.5/9
#915DA3
50 / 70 / 0 / 0
145 / 93 / 163
ライラック
Lilac
Liilac = ライラック*モクセイ科ハシドイ属の落葉低木
ライラックの花のようなうすい紫色
sf-P
やわらかい紫
6P 7/6
#D1BADA
20 / 30 / 0 / 0
209 / 186 / 218
オーキッド
Orchid
Orchid = 蘭*らん
/ ラン科の多年草
蘭の花のようなうすい紫色
sf-P
やわらかい紫
7.5P 7/6
#D9AACD
15 / 40 / 0 / 0
217 / 170 / 205
鉱物・金属
鉱石・宝石・顔料・金属などに由来する色名。鉱物や金属特有の光沢や質感、美しい発色を表現した色名が多く見られる。
和色名とは、日本で古くから親しまれてきた伝統的な色の呼び名のこと。
植物や動物、鉱物、染料、生活用品など、身近なものから受けた印象や特徴をもとに名付けられたものが多く、日本の自然や文化、暮らしと深く結びついている。
該当する色名なし
外来語色名とは、外国の言語や文化から日本に取り入れられ、現在も使われている色の呼び名のこと。
植物や鉱物、食材、飲料、染料、地名などにちなんだものが多く、英語、フランス語、イタリア語など、さまざまな言語をもとにした色名がある。
該当する色名なし
動物
鳥・魚・昆虫・甲殻類・動物の毛や羽などに由来する色名。生き物の体色や模様、羽や毛並みの特徴を表した色名が数多く存在する。
和色名とは、日本で古くから親しまれてきた伝統的な色の呼び名のこと。
植物や動物、鉱物、染料、生活用品など、身近なものから受けた印象や特徴をもとに名付けられたものが多く、日本の自然や文化、暮らしと深く結びついている。
鳩羽色
はとばいろ
鳩の羽の色
鳩 = 鳩
羽 = 羽
色 = 色 / 色彩
山鳩の羽のようなくすんだ青紫色
dl-V
くすんだ青紫
2.5P 4/3.5
#94849C
20 / 30 / 0 / 40
148 / 132 / 156
外来語色名とは、外国の言語や文化から日本に取り入れられ、現在も使われている色の呼び名のこと。
植物や鉱物、食材、飲料、染料、地名などにちなんだものが多く、英語、フランス語、イタリア語など、さまざまな言語をもとにした色名がある。
パープル
Purpule
Purpule = 紫
貝類より採取した染料の赤みがかった紫色
vv-P
あざやかな紫
7.5P 5/12
#884798
55 / 80 / 0 / 0
136 / 71 / 152
食材・飲料
食品・香辛料・菓子・酒・飲み物などに由来する色名。身近な食材や飲料の色味をもとに名付けられた、親しみやすい色名が多い。
和色名とは、日本で古くから親しまれてきた伝統的な色の呼び名のこと。
植物や動物、鉱物、染料、生活用品など、身近なものから受けた印象や特徴をもとに名付けられたものが多く、日本の自然や文化、暮らしと深く結びついている。
該当する色名なし
外来語色名とは、外国の言語や文化から日本に取り入れられ、現在も使われている色の呼び名のこと。
植物や鉱物、食材、飲料、染料、地名などにちなんだものが多く、英語、フランス語、イタリア語など、さまざまな言語をもとにした色名がある。
該当する色名なし
自然・自然現象
空・海・川・雪・火・虹・天候・季節など、自然や自然現象に由来する色名。風景や気象、四季の移り変わりを感じさせる色合いが特徴。
和色名とは、日本で古くから親しまれてきた伝統的な色の呼び名のこと。
植物や動物、鉱物、染料、生活用品など、身近なものから受けた印象や特徴をもとに名付けられたものが多く、日本の自然や文化、暮らしと深く結びついている。
該当する色名なし
外来語色名とは、外国の言語や文化から日本に取り入れられ、現在も使われている色の呼び名のこと。
植物や鉱物、食材、飲料、染料、地名などにちなんだものが多く、英語、フランス語、イタリア語など、さまざまな言語をもとにした色名がある。
該当する色名なし
人工物・素材
布・陶器・瓦・紙・染料・建築材料・道具など、人の手によって作られたものや素材に由来する色名。伝統工芸や建築、日用品など、暮らしの中で親しまれてきた色が含まれる。
和色名とは、日本で古くから親しまれてきた伝統的な色の呼び名のこと。
植物や動物、鉱物、染料、生活用品など、身近なものから受けた印象や特徴をもとに名付けられたものが多く、日本の自然や文化、暮らしと深く結びついている。
該当する色名なし
外来語色名とは、外国の言語や文化から日本に取り入れられ、現在も使われている色の呼び名のこと。
植物や鉱物、食材、飲料、染料、地名などにちなんだものが多く、英語、フランス語、イタリア語など、さまざまな言語をもとにした色名がある。
該当する色名なし
地名・文化
国・地域・民族・歴史・風俗・芸術・建築様式などに由来する色名。地域の文化や歴史、伝統、美術などを反映し、その土地ならではの特色が表れている。
和色名とは、日本で古くから親しまれてきた伝統的な色の呼び名のこと。
植物や動物、鉱物、染料、生活用品など、身近なものから受けた印象や特徴をもとに名付けられたものが多く、日本の自然や文化、暮らしと深く結びついている。
江戸紫
えどむらさき
江戸の紫
江戸 = 江戸
紫 = 紫 / 紫みを帯びた
京紫に対して江戸で染めた紫ということからついた濃い青みの紫色
dp-bP
こい青みの紫
3P 3.5/7
#745399
60 / 70 / 0 / 10
116 / 83 / 153
古代紫
こだいむらさき
古代の紫
古代 = 古代
紫 = 紫 / 紫みを帯びた
近世以後の江戸紫や京紫に対して、これらよりくすんだ紫を称してつけられた色
dl-P
くすんだ紫
7.5P 4/6
#895B8A
35 / 60 / 0 / 32
137 / 91 / 138
外来語色名とは、外国の言語や文化から日本に取り入れられ、現在も使われている色の呼び名のこと。
植物や鉱物、食材、飲料、染料、地名などにちなんだものが多く、英語、フランス語、イタリア語など、さまざまな言語をもとにした色名がある。
マゼンタ
Magenta
Magenta = マゼンタ
イタリア北部の町マゼンタで発見されたアニリン染料からついた鮮やかな赤紫色
緑色の光を吸収して、赤と青の光を反射、または透過する色材
vv-RP
あざやかな赤紫
5RP 5/14
#E4007F
0 / 100 / 0 / 0
228 / 0 / 127
色彩・概念
色名そのもの・明暗・鮮やかさ・流行色・感情・印象・抽象概念などに由来する色名。具体的な物ではなく、色の性質やイメージ、感覚をもとに名付けられている。
和色名とは、日本で古くから親しまれてきた伝統的な色の呼び名のこと。
植物や動物、鉱物、染料、生活用品など、身近なものから受けた印象や特徴をもとに名付けられたものが多く、日本の自然や文化、暮らしと深く結びついている。
青紫
あおむらさき
青みのある紫色
青 = 青 / 青みを帯びた / 緑みを帯びた
紫 = 紫 / 紫みを帯びた
青みがかったあざやかな紫色
vv-V
あざやかな青紫
2.5P 4/14
#674498
70 / 80 / 0 / 0
103 / 68 / 152
紫
むらさき
紫 = 紫 / 紫みを帯びた
紫草の根と椿灰汁と酢で染めた色
vv-P
あざやかな紫
7.5P 5/12
#884798
55 / 80 / 0 / 0
136 / 71 / 152
紫紺
しこん
紫みの紺色
紫 = 紫 / 紫みを帯びた
紺 = 紺
濃い紺色がかった紫色
dk-P
くらい紫
8P 2/4
#460D43
45 / 80 / 0 / 70
70 / 13 / 67
赤紫
あかむらさき
赤みのある紫色
赤 = 赤 / 赤みを帯びた / 朱色 / 赤褐色
紫 = 紫 / 紫みを帯びた
赤みがかったあざやかな紫色
vv-RP
あざやかな赤紫
5RP 5.5/13
#C54EA0
27 / 82 / 0 / 0
194 / 78 / 160
外来語色名とは、外国の言語や文化から日本に取り入れられ、現在も使われている色の呼び名のこと。
植物や鉱物、食材、飲料、染料、地名などにちなんだものが多く、英語、フランス語、イタリア語など、さまざまな言語をもとにした色名がある。
該当する色名なし
