色彩調和論
色彩調和とは、2色以上の色を組み合わせて色彩のバランスや美しさなどを作り上げていくこと。また、その配色が見る人に好感を与えたときに、それらの色は調和しているといえること。
色彩調和については、イングランドの物理学者 アイザック・ニュートン(Isaac Newton)により「スペクトル」が発見されて以降、色彩が科学的にとらえられるようになり、様々な学者たちによる論議が繰り返されてきた。
シュブルール色彩の同時対比の法則とこの法則に基づく配色について
ゲーテ色彩論
ルード現代色彩学
オストワルト色彩の調和
ムーン&スペンサー色彩調和論
イッテン色彩の芸術
ジャッド4つの色彩調和論
現代色彩学
アメリカの自然科学者 ルードが、自然の中での色彩の見え方に基づいた配色関係は、人間がもっともなじんでいる配色であり調和すると、1879年に発表した著書 「現代色彩学」で述べている。
Ogden Nicholas Rood オグデン・ニコラス・ルード
1831.2.3 – 1902.11.12
アメリカの物理学者
色相の自然連鎖
ナチュラル・シーケンス・オブ・ヒューズ Natural Sequence Of Hues
自然の中に見られる色の明暗の階調のこと。光が当たっている部分の葉は明るい黄緑にみえるように、同じ色でも自然界の明るい色は黄みを帯びて見える。
また、光が当たっていない影の部分の葉は暗い青緑にみえるように、同じ色でも自然界の暗い色は青みを帯びて見える。
自然の調和
色相の自然連鎖の原理に基づいた色彩調和の方法で、隣接色相か類似色相の配色であることを条件に用いて、黄色に近い色を明るく、青紫に近い色を暗くした配色にすると自然な調和感が得られる。
不調和の調和
「complex」は「複雑な」を意味し、色相の自然連鎖に反した色彩調和のため、自然の中では見慣れない配色になることから違和感が生じるが、その変わり新鮮で不思議な印象を与え、ナチュラルハーモニーとは対照的に目を引く配色になる。
よって「色相の自然連鎖」に反しているため、黄色に近い色相は暗く、青紫に近い色相は明るくする配色になる。
印象派絵画に影響
フランスの画家 スーラは、ルードの「現代色彩論」やシュブルールの「色彩の同時対照の法則」などの最新の光学と色彩理論を熱心に学び、新印象派絵画に影響を与えていたとされる。
色彩混合
光とは異なり顔料による色彩混合は、明度を増すことはなくむしろ暗くなることを唱えている。これって加法混合と減法混合のことだね。
視覚混合
隣り合わせに置かれた二つ以上の色彩が、遠くから見ると混じり合いひとつの色に見える光学現象のこと。
異なる色の小さな点、または細線を並置することによって、新しい色として視覚的に融合され認識されることを絵画画面での補色の効果を裏づけしたのがルードで、その色の配列の視覚混合を追求したのがフランスの画家 スーラだったようだ。
Georges Pierre Seurat ジョルジュ・ピエール・スーラ
1859.12.2 – 1891.3.29
新印象派に分類される 19世紀のフランスの画家
代表作
Un dimanche après-midi à l’Île de la Grande Jatte
点描法を用いて、パリ近郊のセーヌ川の中州で夏の一日を過ごす人々を描いている、1884年 ~1886年ごろに描かれたとされる作品。
パリ北西部のセーヌ河沿いの町 アニエールでくつろぐ人々を描いた、1883年から1884年ごろ描かれたとされる作品。
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またいらしゃいな。