イッテンのすすめ【色彩調和論】

色彩調和

色彩調和論

色彩調和とは、2色以上の色を組み合わせて色彩のバランスや美しさなどを作り上げていくこと。また、その配色が見る人に好感を与えたときに、それらの色は調和しているといえること。

色彩調和については、イングランドの物理学者 アイザック・ニュートン(Isaac Newton)により「スペクトル」が発見されて以降、色彩が科学的にとらえられるようになり、様々な学者たちによる論議が繰り返されてきた。

 

色彩調和論
シュブルール  色彩の同時対比の法則とこの法則に基づく配色について
ゲーテ 色彩論
ルード 現代色彩学 
オストワルト 色彩の調和
ムーン&スペンサー 色彩調和論
イッテン 色彩の芸術
ジャッド 4つの色彩調和論

 

色彩の芸術

1961年には発表された著書 「色彩の芸術」の中で「色相環上で幾何学的な関係にある色同士は調和する」と唱えている。

 

profile
ヨハネス・イッテン
Johannes Itten
1888.11.11 – 1967.5.27
スイスの芸術家
 
ドイツの「バウハウス」などの教育者。現代アートやデザインにおける色彩論と色彩構造の基本教育の基礎を築いたとされる人。
 
バウハウス
1919年にワイマール共和国政期ドイツの都市 ワイマールに設立された、工芸・写真・デザインなどを含む美術と建築に関する総合的な教育を行った学校。

 

色相環

 

「赤・黄・青」を三原色として、3色をそれぞれ混ぜ合わせてつくった二次色「橙・緑・紫」を基本とする 12色の色相環。

 

色相環の分割法

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トライアド triad
色相環上で正三角形を描いたそれぞれの頂点に位置する色の組み合わせの 3色配色。
 
「トライアド」とは音楽の三和音から由来しており、変化がありながらバランスのとれた配色で、トライアドで選んだ色は、3色とも対照色配色になる。

 

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テトラード tetrad
色相環上で正方形を描いたそれぞれの頂点に位置する色の組み合わせの 4色配色。
 
2組の補色の組み合わせで、異なる色相が豊富に含まれているため、にぎやかで表情豊かな配色になる。

 

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ペンタード pentad
色相環上で正五角形を描いたそれぞれの頂点に位置する色の組み合わせの 5色配色。または、トライアドの 3色に白と黒を組み合わせた 5色配色。
 
色数が多いのでカラフルでにぎやかな印象を与える。

 

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ヘクサード hexad
色相環上で六角形を描いたそれぞれの頂点に位置する色の組み合わせの 6色配色。または、テトラードの 4色に白と黒を組み合わせた 6色配色。
色相環を6等分した色の組み合わせの6色配色。
 
ペンタードより 1色増えた配色になるので、さらにカラフルでにぎやかな印象を与える。

 

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ダイアード dyad / 補色
色相環上で正反対の位置にある色を組み合わせた 2色配色。
 
補色は色相差がもっとも大きいので、コントラストが高くなりメリハリが出やすいため、お互いの色を引き立て合う相乗効果がある。しかし、使い方によっては、それぞれの色が浮いて見えてしまうので注意が必要。

 

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スプリット・コンプリメンタリー split complementary / 分離補色
色相環上で二等辺三角形を描く位置にあの組み合わせで、補色の両となりの色に位置にある2色とを組み合わせた 3色配色。
 
スプリットは「分離させる・仲間割れさせる」などを意味し、補色がつくり出す強い印象に対して、補色の類似の2色になるので、補色よりはやや柔らかい印象になる。また、補色の1色の面積を小さくすると全体を引き締める効果があり、3色の面積比を均等にすると派手な印象になる。

 

 

最後まで読んでいただきありがとうございました。
またいらしゃいな。