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ゲーテのすすめ【色彩調和論】

色彩調和

色彩調和論

色彩調和とは、2色以上の色を組み合わせて色彩のバランスや美しさなどを作り上げていくこと。また、その配色が見る人に好感を与えたときに、それらの色は調和しているといえること。

色彩調和については、イングランドの物理学者 アイザック・ニュートン(Isaac Newton)により「スペクトル」が発見されて以降、色彩が科学的にとらえられるようになり、様々な学者たちによる論議が繰り返されてきた。

 

色彩調和論
シュブルール色彩の同時対比の法則とこの法則に基づく配色について
ゲーテ色彩論
ルード現代色彩学 
オストワルト色彩の調和
ムーン&スペンサー色彩調和論
イッテン色彩の芸術
ジャッド4つの色彩調和論

 

色彩論

ドイツの文豪 ゲーテが光と色について研究し、約 20年もの歳月をかけて執筆されたとされる 「色彩論」を 1810年に発表した。

「色彩論」は三部構成からなり、「教示編・色彩学稿案」では、色彩に関する己の基礎理論を展開し、「論争篇・ニュートンの光学理論を暴く」では、100年前のニュートンの「光学」による「色彩論」を批判し、「歴史編・色彩学史のための資料」では、古代ギリシャから 18世紀後半までの色彩論の歴史をたどっている。

 

profile
Johann Wolfgang von Goethe ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ
1749.8.28 – 1932.3.22
ドイツの詩人、劇作家、小説家、自然科学者、政治家
 
小説「若きウェルテルの悩み(1774)」や詩劇「ファウスト」などの著作したドイツを代表する文豪。
シューベルトの歌曲 「野ばら」に用いられている詩「童(わらべ)は見たり、野中のバラ~」を書いた人。

 

明順応・暗順応

明順応
明順応(めいじゅんのう)とは、暗い場所から急に明るい場所に移動すると、光が眩しくてまわりの風景が白っぽくなり見えにくくなるが、しばらくすると目が慣れてきてまわりの風景が見えるようになってくること。
 
暗順応
暗順応(あんじゅんのう)とは、明るい場所から暗い場所に入るとしばらく暗くて何も見えないが、少しずつ目が慣れてきてくるとまわりにある物が見えてくること。また、順応にかかる時間は人それぞれではあるが、暗順応のほうが明順応より長い時間がかかると言われている。

 

色相環

 

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ゲーテは、赤・黄・青を三原色とし、赤を頂点として黄と青をそれぞれ両端に配置した三角形に、補色残像の実験で浮かび上がった色、赤に対して緑、黄に対して紫、青に対して橙が対角線上に来るように、緑を頂点として橙と紫をそれぞれ両端に配置した逆三角形を重ね合わせて配置した色相環(しきそうかん)をつくった。

 

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補色残像現象
補色残像現象(ほしょくざんぞうげんしょう)とは、赤い円を 10秒くらいジーッと見つめたあとに、隣の白い枠に視線を移してみるとうっすらと青緑の円が見えてくる。これは「赤」と「青緑」が「補色関係にある」ことから生じる現象のこと。
 
また、同じように赤い円を 10秒くらいジーッと見つめたあとに、今度は黒い枠に視線を移してみるとうっすらとそのまま赤い円が見えてくる。これは「赤」がそのまま残って「残像」として見える現象。
 
心理補色
心理補色(しんりほしょく)とは、残像として見えた色のこと。

 

物理補色
物理補色(ぶつりほしょく)とは、補色である2つの色を混ぜ合わせると無彩色(白、グレー、黒)になること。

 

ニュートンへの批判

17世紀ごろにイングランドの物理学者 ニュートンが、プリズム(透明ガラスの三角柱)を用いて、太陽光のような色のついていない光(白色光)には様々な「色の光」が含まれ重なり合ったものであることを実験し発見した。

色が人間の精神にどのような影響を与えるかということに着目し、色彩の感覚的・精神的作用を論じたゲーテは、100年前のニュートンの「光学」による「色彩論」を
ゲーテが執筆した「色彩論」の中で執拗(しつよう)なほどの異を唱えている。

 

profile
Isaac Newton アイザック・ニュートン
ユリウス暦:1642.12.25 – 1727.3.20
グレゴリオ暦:1643.1.4 – 1727.3.31
イングランドの自然哲学者・数学者・物理学者・天文学者・神学者
 
りんごのエピソードで知られる万有引力の法則や微分積分法、プリズムによる分光スペクトルなどを発見。
 
万有引力の法則
万有引力の法則(ばんゆういんりょくのほうそく)とは、宇宙のすべての物体には引力が働いてるという考え方。
 
微分積分
微分積分(びぶんせきぶん)とは、変化を計算するための数学のこと。

 

 

最後まで読んでいただきありがとうございました。
またいらしゃいな。