キャンバス・パネルのサイズ

サイズ

キャンバス・木製パネル

キャンバスや木製パネルには、それぞれのモチーフを描くのに適しているとされる比率の大きさがある。

ただし、必ずしも「描くモチーフに合わせてこのサイズを使わなければいけない」というわけではないようなので、自分の描きたいものの構成に合わせてサイズを選ぶと良いでしょう。

 

Figure
F(Figure)は、人物画を描くのに適しているとされる長方形のサイズ。
Paysage
P(Paysage)は、風景画を描くのに適しているとされる長方形のサイズ。
Marine
M(Marine)は、海景画を描くのに適しているとされる長方形のサイズ。
Square
S(Square)は、正方形のサイズ。

 

画面比率

各サイズには、目安としている画面比率(アスペクト比)がある。

 

F 1 : √5-1 = 1 : 1.236
P 1 : √21 = 1 : 1.414
白銀率を目指した画面比率
M 1 :(√5+1)÷ 2 = 1 : 1.618
人類が最も美しいと感じる黄金比を目指した画面比率
S 1 : 1

 

アスペクト比
アスペクト比(aspect ratio)とは、ディスプレイや動画、画像などの長辺と短辺の長さの比率のこと。
一般的には「横:縦」と表記され、アナログテレビなどに採用されている「4:3」や地デジTVやYouTubeなどに採用されている「16:9」などがある。
 
アスペクト比を求めるには、横と縦の最大公約数(2つ以上の整数に共通する約数(割り切れる数値)の中で一番大きい数値)を求め、縦横をその最大公約数で除算した数値が比率になる。
 
最大公約数 = 長辺の長さ ÷ 短辺の長さ
横 = 横の長さ ÷ 最大公約数
縦 = 縦の長さ ÷ 最大公約数
画面比率 = 横 : 縦
 
1920 × 1080の画面比率の求め方 
最大公約数 1920 ÷ 1080 = 120
横の数値 1920 ÷ 120 = 16
縦の数値 1080 ÷ 120 = 9
画面比率 16:9

 

サイズ表記

絵画のサイズ表記は、各サイズの頭文字である「F・P・M・S」の大文字アルファベットと数字の組み合わせて「号数」と呼び表記されている。

 

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「S」→「F」→「P」→「M」の順に細長い長方形になり、「F0」→「F5」→「F10」と数字が大きくなるほど画面の大きさは大きくなる。

 

規格サイズ

絵画に多く用いられているキャンバスや木製パネルなどは、一般的に「号数」によってサイズが規格化されている。

国内で販売されているキャンバスや木製パネルなどのサイズは、ほぼ「日本サイズ」と呼ばれる規格。それ以外にもフランスやメートル法を採用している国々で使用されている「フランスサイズ」や、アメリカやヤード・ポンド法を採用している国々で使用されている「アメリカサイズ」などがある。

日本サイズは、もともとフランスの規格サイズをベースに尺寸単位に変換して用いていたものを、メートル法に換算(1尺=約 30.3030cm)して作られた、日本独自のもの。そのため、フランスサイズと日本サイズの号数は同じでも長さにわずかな誤差が生まれている。

 

 

特殊なサイズ

日本サイズには、ほかにも「SM」や「SSM」「WF3」など、「F・P・M・S」がつかない特殊なサイズもある。

SM(サムホール)とは、スケッチ箱に収納して持ち歩けるスケッチ板や小型のスケッチ箱の底に親指を入れて片手で支えられるように作られた道具から来ている。

 

 

その他デッサン額のサイズ

デッサン額とは、紙作品・写真・ポスターなど厚みのないものを飾る額縁のこと。マット紙(飾るものと額縁の間の余白を調整する厚さ2㎜くらいのボードのこと)を使用して額装する方法と、マットなしで額装する方法がある。

 

 

 

最後まで読んでいただきありがとうございました。
またいらしゃいな。