天文
星や月などの天体や、雨や雷などの気象を表わす季語。
気象
あわゆき
あはゆき
春先などに降る消えやすい雪
沫雪、泡雪 あわゆき
かたびら雪 かたびらゆき
たびら雪 たびらゆき
だんびら雪 だんびらゆき
牡丹雪 ぼたんゆき
綿雪 わたゆき
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気象
おぼろ
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大気中の細かな水の粒を通して何かがぼんやりと見えるさま
家朧 いえおぼろ
岩朧 いわおぼろ
海朧 うみおぼろ
朧影 おぼろかげ
朧めく おぼろめく
朧夜 おぼろよ
鐘朧 かねおぼろ
草朧 くさおぼろ
島朧 しまおぼろ
谷朧 たにおぼろ
塔朧 とうおぼろ
庭朧 にわおぼろ
灯朧、燈朧 ひおぼろ
船朧 ふねおぼろ
星朧 ほしおぼろ
街朧 まちおぼろ
朧月 おぼろづき
霞 かすみ
天体
おぼろづき
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春の夜に霞や雲などでかすんで見える月
淡月 たんげつ
月朧 つきおぼろ
朧 おぼろ
春の月 はるのつき
天体
おぼろづきよ
月がほのかに霞んでいる春の夜
おぼろにかすんで見える月夜
朧夜 おぼろよ
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気象
かげろう
かげろふ
地面から立ちのぼる蒸気で、風景やものが揺らめいて見えること
糸遊 いとゆう
陽炎燃ゆ かげろうもゆる
かぎろひ
野馬 かげろう
野馬 やば
遊糸 ゆうし
陽焔 ようえん
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気象
かすみ
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春の山野に立ち込める水蒸気
朝霞 あさがすみ
有明霞 ありあけがすみ
薄霞 うすがすみ
霞隠れ かすみがくれ
霞敷く かすみしく
霞立つ かすみたつ
霞棚引く かすみたなびく
霞の海 かすみのうみ
霞の沖 かすみのおき
霞の奥 かすみのおく
霞の衣 かすみのころも
霞の底 かすみのそこ
霞の袖 かすみのそで
霞の空 かすみのそら
霞の谷 かすみのたに
霞の袂 かすみのたもと
霞の網 かすみのたもと
霞の浪 かすみのなみ
霞の麓 かすみのふもと
霞渡る かすみわたる
霞む かすむ
草霞む くさかすむ
棚霞 たながすみ
遠霞 とおがすみ
春霞 はるがすみ
晩霞 ばんがすみ
昼霞 ひるがすみ
叢霞 むらがすみ
八重霞 やえがすみ
夕霞 ゆうがすみ
朧 おぼろ
気象
かぜひかる
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春に吹く風がきらきらと光り輝くように感じられること
光風 こうふう
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天体
かねかすむ
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のどかな春の日に、遠くから鐘の音が霞むように聞こえてくるさま
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気象
こち
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早春に吹く東寄りの風
朝東風 あさごち
あめ東風 あめ あめごち
いなだ東風 いなだごち
梅東風 うめごち
桜東風 さくらごち
鰆東風 さわらごち
強東風 つよごち
雲雀東風 ひばりごち
夕東風 ゆうごち
春の風 はるのかぜ
天体
さおひめ
さほひめ
春を司る女神
日本には季節をつかさどる女神が存在すると考えられており、 春は佐保姫、夏は筒姫、秋は竜田姫、冬は宇津田姫
奈良県奈良市北部にある佐保山(さほやま)は、平城京(へいじょうきょう)の東にあり、中国から伝わった五行思想(ごぎょうしそう)で「東」は「春」に当たり、春の野山の造化を司ると言われている
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筒姫 つつひめ
竜田姫 たつたひめ
宇津田姫 うつたひめ
気象
しゅんいん
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春の曇りがちな気候
花曇 はなぐもり
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気象
しゅんこう
しゆんくわう
春の日の光
春の景色
春の陽射し
春景 しゅんけい
春色 しゅんしょく
春望 しゅんぼう
春容 しゅんよう
春景色 はるげしき
春の色 はるのいろ
春の匂 はるのにおい
春の光 はるのひかり
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天体
しゅんじん
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春になり、乾いた地面から風で舞い立つ砂ぼこり
黄埃 こうじん
砂あらし すなあらし
春の塵 はるのちり
春埃 はるぼこり
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気象
しゅんらい
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春に発生する雷
春の雷 はるのらい
虫出し むしだし
虫だしの雷 むしだしのらい
初雷 はつらい
気象
しゅんりん
しゆんりん
3月から4月にかけて降る長雨
春の長雨 はるのながあめ
春霖雨 はるりんう
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気象
しんきろう
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雪解け水と海水との温度差により空気中の光が屈折して、遠方の景色が実際とは異なる形に見える現象
海市 かいし
蜃楼 かいやぐら
かいやぐら
喜見城 きけんじょう
きつねだな
山市 さんし
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天体
つちふる
ばい
中国北部で吹き上げられた黄土が、季節風に吹き流されて浮遊し、空を黄褐色に覆いつつ徐々に落下する現象
空から砂塵が降ること
黄砂、黄沙 こうさ
黄塵万丈 こうじんばんじょう
胡沙荒る こさある
胡沙来る こさくる
つちかぜ
つちぐもり
霾天 ばいてん
霾風 ばいふう
蒙古風 もうこかぜ
霾晦 よなぐもり
よなぼこり
春塵
気象
はだれ
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はらはらと降る雪
まだらに降り積もった春の雪
はだら
はだら雪 はだらゆき
はだれ野 はだれの
斑雪山 はだれやま
斑雪 はだれゆき
まだら雪 まだら雪ゆき
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気象
はるあれ
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2月から3月にかけて吹き荒れる強風
春嵐 はるあらし
春颯 はるはやて
春疾風 はるはやて
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気象
しゅんぷう
はるかぜ
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春の日に吹く穏やかな風
春の風 はるのかぜ
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気象
はるきた
はるきたかぜ
はるならい
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春に吹く北西の風
特に北日本では、冷たい北西風が雪を伴って吹き荒れる
黒北風 くろぎた
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気象
はるさめ
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春に降る雨の中でも、しとしとと静かに降る雨
膏雨 こうう
春雨傘 はるさめがさ
春の雨 はるのあめ
春霖 しゅんりん
気象
はるしぐれ
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春に降るにわか雨
春の時雨 はるのしぐれ
春驟雨 はるしゅうう
春の村雨 はるのむらさめ
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気象
はるのあられ
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春に降るあられ
春霰 しゅんさん
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天体
はるのくも
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春の空に浮かぶ雲
春雲 しゅんうん、はるぐも
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気象
はるのしも
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春になって降りる霜
春霜 しゅんそう
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天体
はるのそら
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穏やかな春の天候
春は大気が水分を多く含み、晴れた日でもほんのりと白く霞んでいることもある
春天 しゅんてん
春空 はるぞら
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天体
はるのつき
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春の夜の月
春月 しゅんげつ
春月夜 はるづきよ
春満月 はるまんげつ
春三日月 はるみかずき
朧月 おぼろづき
月 つき
気象
はるのひ
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春の太陽
春陽 しゅんよう
春入日 はるいりひ
春入り日 はるいりひ
春の朝日 はるのあさひ
春の入日 はるのいりひ
春の夕日 はるのゆうひ
春日影 はるひかげ
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天体
はるのほし
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春の夜に潤んで見える星
春星 しゅんせい
星朧 ほしおぼろ
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気象
はるのみぞれ
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春に降る霙(みぞれ)
春霰 はるあられ
春霙 はるみぞれ
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気象
はるのやみ
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月の出ていない春の夜の闇
春闇 はるやみ
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気象
はるのゆき
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立春を過ぎてから降る雪
沫雪、淡雪 あわゆき
桜隠し さくらかくし
春雪 しゅんせつ
春吹雪 はるふぶき
牡丹雪 ぼたんゆき
雪の果 ゆきのはて
天体
はるゆうやけ
はるのゆふやけ
春独特のやわらかな感じのする夕焼け
春茜 はるあかね
春の夕焼 はるのゆうやけ
春夕焼 はるゆやけ
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天体
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湿った空気が山を越えて、反対側の平地へ吹き下ろす乾燥した高温の風
風炎 ふうえん
フェーン雲 ふぇーんぐも
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気象
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近畿・中国・四国などの地方の方言で、春に吹く、なまぬるい雨もよいの南風
西ようず にしようず
南気 みなみげ
ようず風 ようずかぜ
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