生活(人事)
衣食住、仕事、健康など人の暮らしに関する季語。
農事
あいかり
あゐかり
6月ごろに 藍染めの原料である藍を刈り取ること
藍刈る あいかる
藍玉 あいだま
藍搗 あいつき
一番藍 いちばんあい
インド藍 いんどあい
二番藍 にばんあい
山藍 やまあい
琉球藍 りゅうきゅうあい
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食
あつめじる
―
端午の節句に食す汁物
5月5日に飲むと邪気払いになると言われている
大根、ゴボウ、芋、 豆腐、竹の子、干し魚などを一緒に煮込んだ味噌汁やすまし汁
むじつ汁 むじつじる
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農事
あわまき
あはまき
粟の種子を蒔くこと
粟蒔く あわまく
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生活
いみずます
―
梅雨時に井戸の水が増して、濁り*にごりを帯びて見えること
濁り井 にごりい
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遊戯
いんじうち
いんぢうち
端午の節句*たんごのせっくに、川原などで子どもが二手に分かれ、石を投げ合う遊び
菖蒲印地 あやめいんじ
石打ち いしうち
いんじ
印地切 いんじきり
菖蒲切 しょうぶぎり
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労働
うるしかき
―
漆*うるしの木の樹皮に傷をつけて、漆の液を採取*さいしゅ
/ 植物・鉱物などを選び採ることすること
漆掻く うるしかく
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生活
かわどめ
―
江戸時代に、河川が増水した時に、川を渡ることを禁止したこと
川づかえ かわづかえ
川づかへ かわづかへ
川どまり かわどまり
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農事
きびまく
―
6月中旬から7月に、キビを蒔くこと
黍蒔 きびまき
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スポーツ
けいと
―
中国由来のボートレース
競渡船 けいとせん
ハーリー
爬龍船 はりゅうせん
ペーロン
ペーロン船 ぺーろんせん
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農事
ごままく
―
5月から6月ごろに、ゴマの種を蒔くこと
胡麻蒔 ごままき
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農事
さおとめ
さをとめ
田植を行う女性
家早乙女 いえそうとめ
植女 うえめ
内早乙女 うちそうとめ
五月女 さつきめ
そうとめ
早乙女宿 さおとめやど
早乙女唄 そうとめうた
旅早乙女 たびそうとめ
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労働
さしぎく
―
梅雨のごろに、菊の挿し芽をすること
菊挿芽 きくさしめ
菊挿す きくさす
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遊戯
しょうぶうち
しやうぶうち
端午の節句*たんごのせっくに子どもたちが行う遊び
菖蒲の葉を縄のように編み上げて、それを地面を叩きつけて音の大きさを競い合うこと
菖蒲切 しょうぶぎり
菖蒲叩 しょうぶたたき
菖蒲縄 しょうぶなわ
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遊戯
しょうぶがたな
しやうぶがたな
菖蒲の葉を束ねてつくった太刀
端午の節句*たんごのせっくに、子どもが腰に挿して遊んだ
あやめ刀 あやめかたな
あやめ太刀 あやめだち
菖蒲の帷子 あやめのかたびら
菖蒲浴衣 あやめゆかた
飾り冑 かざりかぶと
菖蒲冑 しょうぶかぶと
菖蒲切 しょうぶぎり
菖蒲太刀 しょうぶだち
菖蒲鉢巻 しょうぶはちまき
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食
あやめざけ
しょうぶざけ
しやうぶざけ
菖蒲の葉や根を細かく刻んで浸した酒
邪気*じゃき
/ 人に害を与えようとする悪い気を祓う*はらうといわれ、端午の節句*たんごのせっくに飲むとよいとされた
あやめ酒 あやめざけ
そうぶ酒 そうぶざけ
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労働
しょうぶひく
しやうぶひく
端午の節句*たんごのせっくに使うために、菖蒲を刈り取ること
あやめ引く あやめひく
菖蒲売 しょうぶうり
菖蒲刈る しょうぶかる
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農事
しんいと
―
その年にできた繭*まゆから取った糸
新生糸 しんきいと
夏蚕の糸 なつごのいと
夏引の糸 なつびきのいと
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農事
しんまわた
―
その年にできた繭*まゆで作った真綿
真綿取り まわたとり
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住
そうじゅつをやく
さうじゆつをたく
梅雨の時期に室内の湿気を払うため、オケラの乾燥した根を焚いていぶすこと
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農事
たうえ
たうゑ
苗代で育てた稲の苗を水田に植えること
大田植 おおたうえ
早乙女唄 さおとめうた
皐月節 さつきぶし
節田 せつだ
田主 たあるじ
田植歌、田植唄 たうえうた
田植笠 たうえがさ
田植組 たうえぐみ
田植肴 たうえざかな
田植定規 たうえじょうぎ
田植時 たうえどき
田植布子 たうえぬのこ
田植飯 たうえめし
田人 たうど
立人 たちうど
太郎次 たろうじ
寄合田植 よりあいたうえ
宵皐月 よいさつき
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農事
たうえぬのこ
たうゑぬのこ
田植のときに着る木綿の綿入れ
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―
農事
たぐさとり
―
田に生える雑草を取り除くこと
一番草 いちばんぐさ
三番草 さんばんぐさ
田草取 たくさとり
田の草取 たのくさとり
二番草 にばんぐさ
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農事
たけうう
―
竹の移植をすること
竹植うる日 たけううるひ
竹移す たけうつす
竹酔日 ちくすいじつ、ちくすいび
竹誕日 ちくたんじつ
竹迷日 ちくめいじつ
竹養日 ちくようじつ
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農事
なえとり
なへとり
苗代から苗を抜き取り、田植に備える作業
早苗取 さなえとり
稲取 なえとり
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農事
はっかかる
―
ハッカの葉を刈り取ること
薄荷刈り はつかかり
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娯楽
ひえまき
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鉢に稗*ひえ、粟*あわなどを芽生えさせて、青田のように見立てた盆栽
稗蒔く ひえまく
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生活雑貨
ほたるかご
―
蛍を入れておくカゴ
螢籠 ほたるかご
蛍、螢 ほたる
娯楽
ほたるがり
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夏の夜に、納涼を兼ねて蛍を見物したり、蛍を捕まえたりすること
蛍籠、螢籠 ほたるかご
螢狩 ほたるがり
蛍見物、螢見物 ほたるけんぶつ
蛍採、螢採 ほたるとり
蛍舟、螢舟 ほたるぶね
蛍見、螢見 ほたるみ
蛍、螢 ほたる
農事
まめうう
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5月から6月にかけて、秋に収穫するための豆を植えること
小豆蒔く あずきまく
大豆蒔く だいずまく
豆蒔く まめまく
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生活
みずみまい
みづみまひ
夏の水害によって被害を受けた人を見舞うこと
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労働
みぞさらえ
みぞさらへ
蚊の発生や悪臭を除くためする家の周囲の溝を掃除すること
田植え前の八十八夜のころに、田に水をひく溝や堰*いせき
/ 土を積んで水の流れをせきとめるものを掃除したり修繕*しゅうぜん
/ 劣化や損傷を修復し元の状態に戻すことしたりすること
堰浚へ せきさらえ
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生活雑貨
むぎわらかご
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脱穀*だっこく
/ 稲・麦など穀物の粒を穂から取り離すことしたあとの麦の茎で編んだカゴ
麦稈籠 むぎわらかご
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農事
むしかがり
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田畑の害虫を駆除*くじょ
/ 害を与えるものを追い払うことするために、畦道*あぜみち
/ 田と田の間の細い道などに焚かれるかがり火
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習俗
よもぎをおぶ
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端午の節句*たんごのせっくに蓬や楝の葉を腰につけて厄を払うこと
楝を佩ぶ、樗を佩ぶ おうちをおぶ、あふちをおぶ
蓬を佩ぶ よもぎをおぶ
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