生活(人事)
衣食住、仕事、健康など人の暮らしに関する季語。
食
あおざし
あをざし
炒った青麦の穂を臼でひいて粘りを出し、糸のようにひねった菓子
青挿 あおざし
―
衣
あわせ
あはせ
表地と裏地を合わせた着物
袷衣 あわせぎぬ
絹袷 きぬあわせ
素袷 すあわせ
初袷 はつあわせ
古袷 ふるあわせ
綿抜 わたぬき
―
労働
いととり
―
繭から糸を取る作業
繭(まゆ)を茹でると繊維が柔らかくなり、糸がほどけやすくなる
糸取歌 いととりうた
糸取車 いととりぐるま
糸取鍋 いととりなべ
糸取女 いととりめ
糸引 いとひき
糸引歌 いとひきうた
糸引女 いとひきめ
繭煮る まゆにる
―
食
かしわもち
かしはもち
上新粉と白玉粉で作った生地に餡を包み柏の葉で巻いた和菓子
粽(ちまき)とともに、5月5日の端午の節句によく食べられる縁起物として知られている
槲餅 かしわもち
―
農事
かんしょうう
さつまいもうう
―
5月から6月にかけて、苗床で育てた甘藷を畑の畝に植えること
藷挿す いもさす
―
農事
くさごえ
―
草木の葉や茎などを刈って、そのまま田畑の土に鋤き込んで肥料にすること
青葉肥 あおばごえ
かっちき
刈敷 かりしき
代じたき しろじたき
緑肥 りょくひ
―
娯楽
くさぶえ
―
草の葉や麦などの茎を唇にあて、笛を吹くように鳴らすこと
草笛吹く くさぶえふく
草笛鳴らす くさぶえならす
―
食
こちゃ
―
昨年の古いお茶
陳茶 ひねちゃ
―
衣 宮中行事
こうい
ころもがえ
ころもがへ
冬から春にかけて着ていた衣を、夏物に替えること
衣更ふ ころもかふ、ころもかう
―
農事
あがり
じょうぞく
―
成熟した蚕を蚕簿に移して、繭を作らせること
上蔟祝 あがりいわい
上蔟団子 あがりだんご
蚕の上蔟 このあがり
蚕簿 まぶし
―
習俗
あやめふく
しょうぶふく
しやうぶふく
端午の節句前夜の5月4日の夜に、軒に菖蒲を葺く邪気払い、火災を防ぐための風習
葺く(ふく)とは、板・茅・瓦などで屋根をおおうこと
または、草木などを軒に挿して飾ること
楝葺く おうちふく
かつみ葺く かつみふく
菖蒲挿す しょうぶさす
軒菖蒲 のきしょうぶ
蓬葺く よもぎふく
―
習俗
しょうぶゆ
しやうぶゆ
5月5日の端午の節句に、子どもの健やかな成長を願って、菖蒲の葉を湯に浮かべて入浴すること
菖蒲風呂 しょうぶぶろ
そうぶ湯 そうぶゆ
蘭湯 らんとう
―
衣
しらがさね
しろがさね
―
表裏ともに白をかさねた色目
平安時代の宮中では、陰暦 4月1日の更衣(ころもがえ)から、冬の小袖から袷(あわせ/薄衣)に変わり、寒い時には下に白い小袖を重ねてきていた
白衣 しらえ
白襲 しらがさね
―
農事
しろかき
―
田んぼに水を入れ掻きならして、田植ができる状態に整える作業
代馬 しろうま
代掻く しろかき
田掻牛 たかきう
田掻馬 たかきうま
田掻く たかく
田の代掻く たのしろかく
田水張る たみずはる
―
食
しんちゃ
―
その年の新芽を摘んでつくったお茶
一番茶 いちばんちゃ
走り茶 はしりちゃ
―
食
しんむぎ
―
その年の夏に収穫した麦
今年麦 ことしむぎ
―
衣
―
―
梳毛糸(そもうし)で織った、和服用の薄手の毛織物
―
―
娯楽
―
―
日本中央競馬会が主催する、競馬のG1レースのひとつ
東京優駿競走 とうきゅゆうしゅんきょうそう
日本ダービー にほんだーびー
食
たけのこめし
―
筍を細かく刻んで鶏肉などと一緒にご飯に炊き込んだもの
―
―
食
ちまき
―
端午の節句に食べる代表的な菓子のひとつ
もち米やうるち米を茅(ち)や笹の葉で巻いて蒸した餅菓子
飴粽 あめちまき
飾粽 かざりちまき
菰粽 こもちまき
笹粽 ささちまき
笹巻 ささまき
菅粽 すげちまき
茅巻 ちまき
粽解く ちまきとく
粽結う ちまきゆう
葦粽 よしちまき
―
農事
なえうり
なへうり
初夏に植える野菜や草花の苗を売り歩く人
苗市 なえいち、なへいち
―
農事
なすうう
―
成長した茄子の苗を畝に植えること
茄子苗植う なすなうう
―
農事
なたねがり
―
アブラナの種を刈り取ること
菜殻 ながら
菜殻火 ながらび
菜殻焼く ながらやく
菜種打つ なたねうつ
菜種殻 なたねがら
菜種刈る なたねかる
菜種焚く なたねたく
菜種干す なたねほす
菜種揉 なたねもみ
―
衣
―
―
平織りにして起毛した、肌触りが柔らかい毛織物
フランネル
―
労働
まつまえわたる
まつまへわたる
江戸時代に、海の穏やかな夏に東北の漁夫や商人が津軽海峡を越えて、海産物の豊かな松前藩(北海道)に交易のため渡ったこと
―
―
食
まめめし
―
えんどう豆を炊き込んだ飯
豆御飯 まめごはん
―
農事
まゆ
―
春蚕の幼虫が口から粘質の糸を吐いてつくる、蛹(さなぎ)を守るための殻状の覆い
黄繭 きまゆ
屑繭 くずまゆ
蚕の上蔟 このあがり
白繭 しろまゆ
新繭 しんまゆ
玉繭 たままゆ
生繭 なままゆ
繭市 まゆいち
繭買 まゆかい
繭掻 まゆかき
繭籠 まゆかご
繭相場 まゆそうば
繭問屋 まゆどんや
繭干す まゆほす
―
農事
むぎうち
―
麦の穂を棒で打って脱穀する作業
―
―
農事
むぎかり
―
初夏に熟れた麦を刈り取る作業
麦熟らし むぎうらし
麦車 むぎぐるま
麦埃 むぎぼこり
麦稈 むぎわら
―
農事
むぎこき
―
刈り取った麦の穂から実を落とす作業やその道具
麦扱機 むぎこきき
―
農事
むぎこき
―
刈り取った麦の穂から実を落とす作業やその道具
麦扱機 むぎこきき
―
娯楽
むぎぶえ
―
麦の茎を細工して、笛のように吹ならすもの
麦藁笛、麦稈笛 むぎわらぶえ
―
食
むぎめし
―
裸麦や大麦を米に混ぜて炊いた飯
すむぎ
―
農事
むぎわら
―
刈り取った麦を乾かして、穂を脱穀して落とした茎
麦稈 むぎわら
―
農事
わたまき
―
4月下旬から5月上旬に綿の種をまくこと
綿蒔 わたまき
棉蒔く、綿播く わたまく
―