紫
紫という漢字は、会意文字と形声文字の特徴を併せ持つ「会意兼形声文字*かいいけんけいせいもじ」が変化したもの。「より糸」を表した「糸」の象形と「中国で染料に使われていた茈*しという植物」を表した「此*し」の象形から、「此でつくった染料で染めた糸」の意味から成り立った文字である。
また日本では、万葉集の象徴である植物「紫草*むらさきそう」の根っこ*紫根から採れる染料が、中国の「此」から採れる色と同じだったことから「紫」を「むらさき」と読むようになったらしい。ほかにも、大陸から「紫根草」が伝えたのが朝鮮人で、朝鮮半島の言語で「ポラサキ」という言葉が、日本語に転化した説や群がって咲くことから「群咲き*むらさき」となったという説がある。
英語の「Purple*パープル」は、古来「骨貝*ほねがい」という巻貝の一種である「プルプラ*purpura / ラテン語」の体内にある「パープル腺」から黄色い分泌液を採取し、染料として使い乾かすと紫色に染まったことから由来している。
性質
古くから高貴な色として用いられ、誇り高く、「感受性豊かな色」とされている。また、情熱の赤と沈静の青を混ぜ合わせた色なので相反する色が共存し、動と静、上品と下品、神聖と不吉などといった「二面性を持つ色」である。
・重量色
・沈静色
イメージ
すみれ
ぶどう
茄子
藤
粋
下品
幻想
高貴
上品
心配
神秘
繊細
知的
不吉
憂鬱
優雅
妖艶
芸術的
個性的
中性的
二面性
不安定
セクシー
心理的効果
・想像力、創造力を掻*かき立て感性を豊かにする
・心身のバランスを整え回復を促す
・潜在能力を引き出す
・感受性を高める
・昔から西洋でも東洋でも高貴の色とされている
・情緒不安定、憂鬱*ゆううつなど複雑な心理状態を表す
・良くも悪くも、欲が強いイメージのある色
性生理的効果質
・睡眠効果がある
・鎮静作用がある
・血圧、脈拍を下げる
紫色を好む人の性格
・美意識が高い
・ミステリアス
・こだわりが強い
・浮世離れ
・協調性に欠ける
・理解しずらい面がある
・妄想癖があり現実逃避しやすい
・自分のセンスに自信がある
・繊細
・ナルシスト
・ロマンチスト
ポイント
ファッション
昔から紫は身分の高い人が身にまとっていた高貴な色である一方、セックスアピールや相手に媚*こびているような印象を表す一面も持ち合わせている色なので、多用しすぎるとケバケバしい印象になることもあるが、ポイントで取り入れることで、ほかの色が引き締まり高級感が出せる。
また、ライラックやラベンダーのような淡い色みは女性らしく、濃い色みはエレガントな雰囲気になる。
インテリア
一般的には、高級感や妖艶な雰囲気をつくり出すのによく使われる色で、使い方によっては洗練された空間にもなる。
緑と同様に内面的なバランスを整え、肉体的なやすらぎをもたらすのにも適しており、淡い紫色のシーツを敷いて眠ると心地よく深い眠りに導かれるといわれている。