生活(人事)
衣食住、仕事、健康など人の暮らしに関する季語。
食
あおぬた
あをぬた
あさつき、分葱、辛子菜などをゆでた青野菜と、貝や蛸などの魚貝類を酢味噌で和えたもの
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食
あさつきなます
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雛祭の供えもののひとつ
アサツキを茹でて、蛤やあさりのむき身と一緒に酢味噌で和えたもの
あさつきぬた
浅葱膾 あさつきなます
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生活
あさね
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寒すぎず暑すぎない春の朝は寝心地がよく、十分に睡眠が取れていても、ついつい寝過ごしてしまうこと
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漁猟
いそなつみ
―
磯の岩などについている食用の海藻を摘みとること
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食
うぐいすもち
うぐひすもち
餅や求肥(ぎゅうひ)で餡(あん)を包み、青大豆の粉をまぶした和菓子
形や色が鶯(うぐひす)に似ている
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労働
うちわつくる
うちはつくる
夏の需要期に備えて、春に団扇を作ること
団扇張る、団扇貼る うちわはる
団扇干す うちわほす
扇張る、扇貼る おうぎはる
扇干す おうぎほす
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娯楽
かざぐるま
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紙やセルロイドを折り曲げて小さな羽根車のように作り、風が吹くとクルクル回る玩具
風車売 かざぐるまうり
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健康
がんがさいゆ
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冬の間にできていた皮膚のできもの「雁瘡」が、春になって直ってくること
雁瘡(がんがさ)は、かも科の大形の水鳥 雁が飛来するころに生じ、去るころに治るといわれている
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漁猟
きじぶえ
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雉狩のときに雉(きじ)をおびき寄せるために吹く笛
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食
きのめあえ
このめあえ
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山椒(さんしょう)の若芽をすりつぶしてまぜた白味噌で、貝・イカ・ウド・竹の子などをあえたもの
山椒和 さんしょうあえ
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娯楽
こまぶえ
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駒鳥を鳴かせるために、駒鳥の声に似せて作った笛
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食
さくらもち
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ほんのり桜色に染めた生地で餡を包み、塩漬けした桜の葉で巻いた和菓子
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娯楽
きしゃご
ささご
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ニシキウズガイ科の巻き貝
疣細螺 いぼきさご
喜佐古、扁螺 きさご
ぜぜ貝 ぜぜがい
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漁猟
しじみかき
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川や湖の泥の中からシジミを掘り取ること
蜆採り しじみとり
蜆舟 しじみぶね
蜆掘る しじみほる
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食
しじみじる
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砂出しをしたシジミを具にした味噌汁
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娯楽
しゃぼんだま
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ストローの先に石鹸水をちょっとつけ、軽く息を吹き込んで泡を膨らませる遊び
シャボン玉 しゃぼんだま
水圏戯 すいけんぎ
たまや
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遊戯
しゅうせん
しうせん
つり下げた二本の綱や鎖の先に横木を渡し、それに座って揺り動かす遊具
秋千 しゅうせん
半仙戯 はんせんぎ
ふらここ
ぶらんこ
ふらんど
ゆさはり
ゆさわり
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生活
しゅんい
―
春のおもむきを楽しむ心
春情 しゅんじょう
春心 しゅんしん、はるごころ
春融 しゅんゆう
春の情 はるのじょう
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生活
しゅんきょう
―
のどかな春を楽しむ心
春嬉 しゅんき
春遊 しゅんゆう、はるあそび
春愉し はるたのし
春の興 はるのきょう
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生活
しゅんしゅう
しゆんしう
春の愁い
春の季節に、なんとなく気持ちがふさいでけだるいこと
春怨 しゅんえん
春恨 しゅんこん
春思 しゅんし
春愁 はるうれい
春愁う はるうれう
春かなし はるかなし
春の恨み はるのうらみ
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生活
しゅんとう
しゆんたう
1955年以降の春に労働組合によって毎年行われる、賃上げ要求を中心とした共同闘争
春季闘争、春期闘争 しゅんきとうそう
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衣
しゅんぷく
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春、また正月に着る着物、洋服
春装 しゅんそう
春の着物 はるのきもの
春の服 はるのふく
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生活
しゅんみん
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春の眠り
春睡 しゅんすい
春眠し はるねむし
春の眠り はるのねむり
春酔 はるよい
朝寝 あさね
食
しらすぼし
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カタクチイワシやマイワシの稚魚を塩水で茹でて乾したもの
白子 しらす
ちりめん
ちりめんじゃこ
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食
すはまぐり
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ハマグリのむきみを酢に和えたも
醋蛤、酢蛤 すはまぐり
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農事
たがえし
たがやし
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田植えや種蒔きをするために、田畑を掘り返すこと
耕牛 こうぎゅう
耕人 こうじん
耕馬 こうば
春耕 しゅんこう
耕 たがやす
耕す たがやす
馬耕 ばこう
田打 たうち
畑打 はたうち
遊戯
たこ
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竹ひごの骨組みに和紙を張ったものに糸を結びつけて、風を利用して空高く飛ばして遊ぶ玩具
紙鳶 いかのぼり
うなり凧 うなりだこ
絵凧 えだこ
扇凧 おうぎだこ
カイト
懸凧 かかりだこ
切凧 きれだこ
狂い凧 くるいだこ
軍配凧 ぐんばいだこ
紙鳶 しえん
字凧 じだこ
凧揚げ たこあげ
凧合戦 たこがっせん
凧の糸 たこのいと
凧の尾 たこのお
凧の陣 たこのじん
凧日和 たこびより
はた
ばらもん凧 ばらもんだこ
奴凧 やっこだこ
洋凧 ようだこ
連凧 れんだこ
六角凧 ろっかくだこ
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食
たにしあえ
たにしあへ
茹でた田螺の剥き身を、独活や浅葱などと一緒に酢味噌で和えたもの
つぶ和 つぶあえ
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農事
たねだわら
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稲の種籾を蒔く前に、発芽をうながすため籾種を種井や種池に浸しておくのに使う俵
すじ俵 すじだわら
種つける たねつける
種時 たねどき
籾つける もみつける
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食
つばきもち
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蒸した道明寺粉であずきあんを包んで俵形にした餅を2枚の椿の葉で挟んだ和菓子
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食
つぼやき
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サザエに調味料を加え、貝殻のまま火にかけて焼いたもの
栄螺の壺焼 さざえのつぼやき
焼栄螺 やきさざえ
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娯楽
つみくさ
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春の野原で、嫁菜、蓬、土筆、蒲公英、芹などに草花を摘むこと
草摘む くさつむ
芹摘む せりつむ
土筆摘む つくしつむ
蓬籠 よもぎかご
蓬摘む よもぎつむ
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娯楽
とうせい
たふせい
春先に野に出て、新しく芽生えた青草を踏んで遊ぶこと
青き踏む あおきふむ
青きを踏む あおきをふむ
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食
なめし
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炊いたご飯に、小松菜、京菜、蕪菜などの青菜を茹で刻んで混ぜたもの
菜飯茶屋 なめしぢゃや
嫁菜飯 よめなめし
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漁猟
のぼりやな
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アユなど産卵のために川をのぼる習性をもつ魚を捕るために仕掛ける(やな)
春の簗 はるのやな
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農事
はたうち
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種蒔きや植え付けの準備のため、鍬などで畑の土を掘り返すこと
畑打つ はたうつ
畑返す はたかえす
畑鋤く はたすく
耕 たがやし
田打 たうち
衣
はるあわせ
はるあはせ
春に着る袷
袷(あわせ)とは、表地に裏地をつけて仕立てた着物のこと
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衣
はるがいとう
はるぐわいたう
春になって防寒用や埃よけに着るコート
合オーバー あいおーばー
スプリング
スプリングコート
春コート はるこーと
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住
はるごたつ
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立春をすぎても、まだしまわずで使っているこたつ
春火燵 はるごたつ
春の炬燵、春の火燵 はるのこたつ
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衣
はるしょーる
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春先の寒さをしのぐための肩掛け
春マフラー はるまふらー
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住
はるしょうじ
はるしやうじ
暖かくなって周りが春めいてくる頃の障子
春の障子 はるのしょうじ
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スポーツ
はるすきー
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スキーシーズンが終わった春に、まだ雪深い場所でするスキー
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住
はるだんろ
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冬ほどではないがまだ寒く、春になってもまだ使っている暖炉
春になり暖かかくなってきたので使わなくなったが、まだ片付けられずにある暖炉
春の暖炉 はるのだんろ
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衣
はるてぶくろ
―
春になって身につける手袋
春手套 はるしゅとう
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健康
はるのかぜ
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春にひく風邪
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生活
はるのひ
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春の夜をともす灯火
春灯、春燈 しゅんとう、はるともし
春の燭 はるのしょく
春の灯 はるのひ
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生活
はるのゆめ
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春の眠りに見る夢
夢は季節に関係なく見ることができるが、とくに春にみる夢は華やかだがはかない人生の例えとして用いられている
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生活
はるのろ
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冬ほどではないが、春になってもほんのりと火気を漂わせた名残りの炉
春の盧 はるのろ
春炉 はるろ
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労働
はるびきいと
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夏に引く新繭が出回るまで、前年の繭を利用して糸を引くこと
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住
はるひばち
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春になっても残る寒さに、時折 手をかざして暖をとる名残りの火鉢
春火桶 はるひおけ
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食
ひだら
ほしだら
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助宗鱈(すけとうだら)の身をおろして干したもの
芋棒 いもぼう
打鱈 うちだら
鱈田夫 たらでんぶ
棒鱈 ぼうだら
乾鱈 ほしだら
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娯楽
ひばりぶえ
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ヒバリを捕まえるために、ヒバリの鳴き声に似せて吹く笛
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娯楽
ふうせん
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紙を貼り合わせた紙風船
春祭りの神社などで、子ども相手に売られていた名残から、春の季語となっている
紙風船 かみふうせん
ゴム風船 ごむふうせん
風船売 ふうせんうり
風船玉 ふうせんだま
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食
ふななます
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泥を吐かせたフナをおろして薄く切りそろえ、辛子酢や酢味噌などで和えたもの
子持膾 こもちなます
子守膾 こもりなます
叩き膾 たたきなます
鮒の子まぶし ふなのこまぶし
山吹膾 やまぶきなます
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食
めざし
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イワシの目を5、6尾ずつ竹串や藁に通して干したもの
ほおどし
ほざし
頬刺 ほおざし
目刺鰯 めざしいわし
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