動物
その季節に活動が活発になり姿を現す、昆虫や鳥、魚、動物など生き物を表わす季語。
昆虫
あかとんぼ
―
秋にみられる体の赤いトンボ
赤卒 あかとんぼ
秋茜 あきあかね
深山茜 みやまあかね
眉立茜 まゆたてあかね
のしめ
のしめ蜻蛉 のしめとんぼ
猩猩蜻蛉 しょうじょうとんぼ
姫茜 ひめあかね
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魚類
あきあじ
あきあぢ
秋に獲れる、脂が乗ってひと際おいしいアジ
―
―
魚類
あきがつお
あきかつを
秋に獲れる、脂が乗ってひと際おいしいカツオ
―
―
魚類
あきさば
―
秋に獲れる、脂が乗ってひと際おいしいサバ
―
―
魚類
あきのさかな
―
サンマ、カツオ、サバ、イワシ、サケなど、秋に旬を迎える魚
―
―
昆虫
あきのか
―
秋になってもまだ生き残っている蚊
後れ蚊 おくれか
蚊の名残 かのなごり
残る蚊 のこるか
別れ蚊 わかれか
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昆虫
あきのが
―
秋に見られる蛾
秋の燈蛾 あきのとうが
―
昆虫
あきのちょう
あきのてふ
立秋を過ぎてから見かける蝶
秋蝶 あきちょう
老蝶 おいちょう
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昆虫
あきのはえ
―
秋まで生き残っているハエ
秋蠅 あきばえ
後れ蠅 おくればえ
残る蠅 のこるはえ
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昆虫
あきのはち
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秋が深まっても生き残っているハチ
―
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昆虫
あきまゆ
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秋蚕がつくる繭
―
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鳥類
いすか
―
アトリ科の小鳥
交喙鳥、交嘴鳥 いすか
鳴いすか なきいすか
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昆虫
いとど
かまどうま
そうば
―
カマドウマ科の昆虫
えび蟋蟀 えびこおろぎ
おかま蟋蟀 おかまこおろぎ
おさる蟋蟀 おさるこおろぎ
かまどむし
裸蟋蟀 はだかこおろぎ
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鳥類
いなすずめ
―
稲が実るころ、稲田に群れて稲を食い荒らすスズメ
―
―
鳥類
いろどり
―
秋に渡ってくる美しい小鳥の総称
秋小鳥 あきことり
―
魚類
いわし
―
イワシ科の海魚の総称
秋鰯 あきいわし
鰮 いわし
鰯売 いわしうり
鰯引 いわしひき
鰯船 いわしぶね
鰯見 いわしみ
鰯干す いわしほす
裂膾 さきなます
真鰯 まいわし
―
鳥類
うずら
うづら
キジ科の渡り鳥
鶉合せ うずらあわせ
鶉籠 うずらかご
鶉野 うずらの
鶉の床 うずらのとこ
鶉斑 うずらふ
駆鶉 かけうずら
片鶉 かたうずら
諸鶉 もろうずら
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哺乳類
うまこゆる
―
寒い冬に備えるため、秋になると皮下脂肪が増えて馬が肥*たくわえること
秋の駒 あきのこま
―
昆虫
うんか
―
ウンカ科とヨコバイ科の昆虫の総称
泡虫 あわむし
実盛虫 さねもりむし
糠蠅 ぬかばえ、ぬかばへ
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魚類
おちあゆ
―
秋に、産卵のために川を下るアユ
秋の鮎 あきのあゆ
下り鮎 くだりあゆ
錆鮎 さびあゆ
渋鮎 しぶあゆ
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鳥類
かけす
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カラス科の鳥
樫鳥、橿鳥 かしどり
―
鳥類
かささぎ
―
カラス科の鳥
勝烏 かちがらす
高麗鴉 こうらいがらす
筑後鴉 ちくごがらす
朝鮮鴉 ちょうせんがらす
唐鴉 とうがらす
肥前鴉 ひぜんがらす
―
魚類
かじか
―
カジカ科の淡水魚
霰魚 あられうお
石伏、石斑魚 いしぶし
鰍突く かじかつく
川おこぜ かわおこぜ
川鰍 かわかじか
ぐず
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鳥類
かり
―
カモ科の大形の水鳥
晩秋に北方から晩秋に日本にやって来て、春になるとまた帰る渡り鳥
天津雁 あまつかり
小田の雁 おだのかり
雁が音 かりがね
雁来る かりきたる
雁鳴く かりなく
雁の棹 かりのさお
雁の列 かりのれつ
雁渡る かりわたる
がん
雁行 がんこう
雁字 がんじ
雁陣 がんじん
雲井の雁 くもいのかり
来る雁 くるかり
小雁 こかりがね
黒雁 こくがん
酒顔雁 さかつらがん
四十雀雁 しじゅうからがん
沼太郎 ぬまたろう
野雁 のがん
灰色雁 はいいろがん
白雁 はくがん
初雁 はつかり
菱喰 ひしくい
姫雁 ひめがん
病雁 びょうがん
真雁 まがん
山七面鳥 やましちめんちょう
落雁 らくがん
―
魚類
ぎぎ
ぎぎう
―
ギギ科の淡水魚
義義 ぎぎゅう
―
昆虫
きくすいむし
きくすひむし
カミキリムシ科の昆虫
菊吸 きくすい
菊吸天牛 きくすいかみきり
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鳥類
きつつき
―
キツツキ科の鳥
木たたき きたたき
木突 きつつき
けら
けらつつき
番匠鳥 たくみどり
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昆虫
けらなく
―
ケラ科の昆虫
雑草地や田畑などの土の中に巣穴をつくって生活しているケラが、低い音でジージーと鳴くこと
晩春から声が聞かれるが、秋の哀愁*あいしゅう
/ もの悲しさに相応しいため秋の季語とされる
おけら鳴く おけらなく
―
昆虫
こおろぎ
こほろぎ
コオロギ科の昆虫の総称
油蟋蟀 あぶらこおろぎ
えんま蟋蟀 えんまこおろぎ
おかめ蟋蟀 おかめこおろぎ
ころころ
ちちろ
ちろろ虫 ちろろむし
つづりさせ
つづれさせ
つづれさせ蟋蟀 つづれさせこおろぎ
東京蟋蟀 とうきょうこおろぎ
姫蟋蟀 ひめこおろぎ
筆津虫 ふでつむし
三角蟋蟀 みつかどこおろぎ
大和蟋蟀 やまとこおろぎ
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魚類
こはだ
―
ニシン科の海水魚
小鰭の粟漬 おはだのあわづけ
鰶 このしろ
小鰭 こはだ
小鰭鮨 こはだずし
さっぱ
しんこ
つなし
―
魚類
さけ
―
サケ科の海水魚
秋味 あきあじ
鮭小屋 さけごや
鮭の秋 さけのあき
鮭場 さけば
鮭漁 さけりょう
しゃけ
初鮭 はつさけ、はつざけ
鼻曲り鮭 はなまがりさけ
―
哺乳類
しか
―
シカ科の哺乳動物の総称
男鹿、小鹿 おじか
かのしし
小牡鹿 さおしか
鹿の声 しかのこえ
鹿の妻 しかのつま
鹿鳴く しかなく
鹿笛 しかぶえ
しし
神鹿 しんろく
妻恋ふ鹿 つまこふしか、つまこうしか
友鹿 ともじか
牝鹿 めじか
夜の鹿 よるのしか
―
鳥類
しぎ
―
シギ科の鳥の総称
青脚鴫 あおあししぎ
青鴫 あおしぎ
赤脚鴫 あかあししぎ
磯鴫 いそしぎ
姥鴫 うばしぎ
数掻く かずかく
京女鴫 きょうじょしぎ
草鴫 くさしぎ
小鴫 こしぎ
鯖鴫 さばしぎ
鷸 しぎ
鴫野 しぎの
鴫の看経 しぎのかんぎん
鴫の羽掻 しぎのはがき
杓鴫 しゃくしぎ
反脚鴫 そりあししぎ
反嘴鴫 そりはしぎ
田鴫 たしぎ
玉鴫 たましぎ
鶴鴫 つるしぎ
当年鴫 とうねんしぎ
浜鴫 はましぎ
箆鴫 へらしぎ
ぼと鴫 ぼとしぎ
百羽掻 ももはがき
山鴫 やましぎ
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昆虫
―
―
シラミ目、ハジラミ目の昆虫の総称
人や動物の血を吸う害虫
半風子 はんぷうし
―
魚類
すずき
―
スズキ科の海水魚
海鱸 うみすずき
川鱸 かわすず
木っ葉 こっぱ
鱸網 すずきあみ
鱸釣 すずきつり
鱸膾 すずきなます
せいご
ふっこ
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鳥類
せきれい
―
セキレイ科の鳥の総称
石たたき いしたたき
黃鶺鴒 きせきれい
背黒鶺鴒 せぐろせきれい
嫁教鳥 とつぎおしえどり
嫁鳥 とつぎどり
庭たたき にわたたき
白鶺鴒 はくせきれい
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魚類
そうだがつお
そうだかつを
サバ科ソウダガツオ属の魚の総称
こがつを
惣太鰹 そうだがつお、そうだかつを
平宗太 ひらそうだ
丸宗太 まるそうだ
―
昆虫
ちっちぜみ
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3センチくらいの小型のセミ
―
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昆虫
とうろう
たうらう
カマキリ科の昆虫の総称
祈り虫 いのりむし
いぼじり
いぼむしり
拝み太郎 おがみたろう
斧虫 おのむし
かまぎっちょ
鎌切 かまきり
小かまきり こかまきり
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昆虫
とんぼ
―
トンボ目の昆虫の総称
青蜻蛉 あおとんぼ
秋卒 あかえんば
秋茜 あきあかね
あきつ
えんば
えんま
鬼やんま おにやんま
胡黎 きやんま
銀やんま ぎんやんま
黒やんま くろやんま
こしあき蜻蛉 こしあきとんぼ
腰細やんま こしぼそやんま
更紗やんま さらさやんま
塩辛蜻蛉 しおからとんぼ
塩蜻蛉 しおとんぼ
塩屋蜻蛉 しおやとんぼ
渋ちゃん しぶちゃん
猩々蜻蛉 しょうじょうとんぼ
精霊蜻蛉 しょうろうとんぼ
高嶺蜻蛉 たかねとんぼ
ちゃん
蝶蜻蛉 ちょうとんぼ
虎斑蜻蛉 とらふとんぼ
とんばう
蜻蜓 とんぼ
とんぼう
蜻蛉釣 とんぼつり
のしめ
のしめ蜻蛉 のしめとんぼ
八丁蜻蛉 はっちょうとんぼ
腹広蜻蛉 はらひろとんぼ
仏蜻蛉 ほとけとんぼ
眉立茜 まゆたてあかね
深山茜 みやまあかね
昔蜻蛉 むかしとんぼ
麦蜻蛉 むぎとんぼ
麦藁蜻蛉 むぎわらとんぼ
蜻蜓 やんま
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昆虫
なむし
―
白菜、大根、カブなどの葉を食う虫の総称
あおなむし
青虫 あおむし
菜虫取る なむしとる
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鳥類
にゅうないすずめ
にふないすずめ
キンバラ科の鳥
山雀 やますずめ
―
魚類
はぜ
―
ハゼ科の魚の総称
赤鯊 あかはぜ
黒鯊 くろはぜ
飛鯊 とびはぜ
虎鯊 とらはぜ
どんこ
沙魚 はぜ
鯊の秋 はぜのあき
鯊の竿 はぜのさお
鯊の潮 はぜのしお
鯊日和 はぜびより
鯊舟 はぜぶね
鯊干す はぜほす
ふるせ
真鯊 まはぜ
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昆虫
みのむし
―
ミノガ科のガの幼虫
鬼の子 おにのこ
鬼の捨子 おにのすてご
親無子 おやなしご
木樵虫 きこりむし
みなし子 みなしご
蓑虫鳴く みのむしなく
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昆虫
みみずなく
―
秋の夜に、地中からから聞こえる「ジー」という音を、ミミズが鳴いていると表現するもの
ミミズは発声器官がないため鳴くことはないので、実際には螻蛄*けらが鳴いているのを取り違えたものと言われている
―
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鳥類
むくどり
―
ムクドリ科の鳥
小椋鳥 こむくどり
白頭翁 はくとうおう
鶁 むく
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昆虫
むし
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コオロギや鈴虫など、秋に鳴く虫の総称
鳴く虫 なくむし
昼の虫 ひるのむし
虫合せ むしあわせ
虫籠 むしかご
虫聞き むしきき
虫時雨 むししぐれ
虫すだく むしすだく
虫鳴く むしなく
虫の秋 むしのあき
虫の声 むしのこえ
虫の音 むしのね
虫の闇 むしのやみ
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鳥類
もず
―
モズ科の鳥の総称
赤鵙 あかもず
大鵙 おおもず
児鵙 ちごもず
虎鵙 とらもず
百舌鳥、伯労鳥 もず
鵙の声 もずのこえ
鵙の高音 もずのたかね
鵙の贄 もずのにえ
鵙の晴 もずのはれ
鵙日和 もずびより
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昆虫
よこばい
よこばひ
ヨコバイ科の昆虫の総称
稲妻横這 いなずまよこばい
大横這 おおよこばい
褄黒横這 つまくろよこばい
よこぶよ
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鳥類
わたりどり
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秋になると北方から日本列島に渡って来る鳥
朝鳥渡る あさどりわたる
候鳥 こうちょう
鳥の渡り とりのわたり
鳥渡る とりわたる
漂鳥 ひょうちょう
迷鳥 めいちょう
旅鳥 りょちょう
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魚類
―
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ブリの若魚で、関東における呼称
小鰤 こぶり
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昆虫
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古今和歌集*こきんわかしゅうに歌われた虫であるが、何の虫かははっきりしない
藻の虫 ものむし
藻に住む虫 もにすむむし
藻に鳴く虫 もになくむし
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