季語
季語*きごとは、和歌*わかや俳句*はいくなどで使われる、「春、夏、秋、冬、新年」という5つの季節を象徴的に表す言葉のこと。日本の豊かな四季や新年の移ろいを、伝統的な詩歌にそっと織り込みながら、季節の情景や風情をやさしく映し出している。
さらに、季語を季節別に分類した解説書「歳時記*さいじき」では、季語をより理解しやすくするために、言葉の意味や特徴ごとにまとめられ、7種類に分類されている。
1月・2月・3月頃
立春*りっしゅん
/ 2月4日頃から立夏の前日*5月4日頃まで
3月・4月・5月
4月・5月・6月頃
立夏*りっか
/ 5月5日頃から立秋の前日*8月6日頃まで
6月・7月・8月
7月・8月・9月頃
立秋*りっしゅう
/ 8月7日頃から立冬の前日*11月6日頃まで
9月・10月・11月
10月・11月・12月頃
立冬*りっとう
/ 11月7日頃から立春の前日*2月3日頃まで
10月・1月・2月頃
旧暦1月1日から1月15日まで
新暦の1月下旬から2月中旬頃まで
1月1日から1月3日まで
1月7日の七草までをお正月の名残として祝う習慣もある
季節ごとの気候や天候を表す言葉
星や月などの天体や、雨や雷などの気象現象を表わす言葉
山や川、田畑、海や地形など、自然の風景や地理的な特徴を表わす言葉
衣食住や仕事、健康に関わる人々の暮らしぶりや習慣、活動を表現する言葉
その季節に行われる伝統的な祭りや祝い事、年中行事を表す言葉
また、著名人の命日である「忌日」もこの分類に含まれる
その季節に活動が活発になり、姿を現す昆虫や鳥、魚、動物など生き物を表わす言葉
その季節に咲く草花や実る果実、海藻などの植物を表わす言葉
季語の成り立ち
季語という概念が生まれたのは、平安時代後期とされるが、奈良時代末期に成立したとされる日本最古の和歌集「万葉集*まんようしゅう」には、すでに季節を題材にした歌が多く詠まれている。
鎌倉時代に成立した、2人以上の人が和歌の「五・七・五」からなる句「上の句*かみのく」と、「七・七」からなる句「下の句*しものく」を交互に詠み連ねる「連歌*れんが」では、最初の句である「発句*ほっく」に、必ず「季の詞*きのことば」を詠み込むという決まりがあったとされている。
江戸時代中期になると、庶民的で滑稽的*こっけいてきな表現を特徴とする「俳諧連歌*はいかいれんが/俳諧」が広まり、その発句が独立して「俳句」が生まれた。
「季語」という言葉は、1908年*明治41年に俳人 大須賀乙字*おおすがおつじによって用いられたとされる。これにより、それまで「季の詞」と呼ばれていた言葉は「季語」として定着し、現在では5,000語を超える季語があるといわれている。
冬の季語
白く澄んだ空気に包まれて生まれた冬の季語。
凛とした美しさの奥に、人の暮らしと温もりが静かに息づいている。
冬*ふゆとは、暦の上で秋の次に、または春の前に訪れる四季のひとつ。
日本の冬は「初冬」「仲冬」「晩冬」という3つの時期*三冬に分けられ、それぞれ異なる季節の雰囲気や自然の変化を感じ取ることができる。
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冬全体を通して用いられる季語。
三冬*さんとうとは、立冬*11月7日ごろから立春*2月3日ごろの前日までの3ヵ月間のこと。
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冬のはじまりの頃を表す季語。
初冬*しょとうとは、立冬*11月7日ごろから小雪*12月6日ごろの前日までの期間のこと。
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寒さが深まる、冬の盛りの時期を表す季語。
仲冬*ちゅうとうとは、大雪*12月7日ごろから冬至*1月4日ごろの前日までの期間のこと。
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春を待つ、冬の終わり頃の季語。
晩冬*ばんとうとは、小寒*1月5日ごろから立春*2月3日ごろの前日までの期間のこと。
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新年*しんねんとは、1月1日の元旦*元日から始まり、一般的に1月3日までの「三が日」、または 7日*関西などは15日の「松の内」までの期間のこと。
冬とは別に扱われることもあるが、歳時記では冬の後に置かれる。
