生活(人事)
衣食住、仕事、健康など人の暮らしに関する季語。
農事
あまちやかる
あまちゃかる
甘茶の若葉を刈り取ること
甘茶とは、アジサイ科の落葉低木 紫陽花紫陽花*あじさいの変種
お釈迦様*おしゃかさまの誕生日である4月8日に行われる灌仏会*かんぶつえで使われる乾燥*かんそうさせたものを煮出したお茶
五香水 ごこうすい
五色水 ごしきすい
五色の水 ごしきのみず
仏の産湯 ほとけのうぶゆ
甘茶寺 あまちゃでら
甘茶仏 あまちゃぶつ
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習俗
いきみたま
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盆の間に、健在する父母や年長者に対しても長寿の祝い物を贈る風習
生御魂、生見玉 いきみたま
生き盆 いきぼん
刺鯖 さしさば
蓮の飯 はすのいい
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華道
いけのぼうりっか
いけのばうりつくわ
室町中期に、の京都市中京区六角通東洞院西入堂之前町にある頂法寺*ちょうほうじ
/ 六角堂の僧侶 池坊専慶*いけのぼう せんけいによって誕生した、華道の元祖とも言える流派 池坊流いけばなの最も古い様式
立花とは、 仏前供花*ぶつぜんきょうか
/ 仏様や亡くなった人に供える花や座敷*ざしき飾りに用いられてきた「立て花」が発展して誕生した花形で、一瓶の中に自然の景観美*けいかんび
/ 周囲の環境と調和して生まれる美しい風景や、この世の森羅万象*しんらばんしょう
/ 宇宙に存在するすべてのものを表したもの
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食
きぬかずき
きぬかづき
食
小ぶりの里芋を皮のまま茹*ゆでたもの
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漁猟
こたかがり
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ハヤブサやハイタカなど、小さいタカを使って、ウズラやヒバリなどの小鳥を捕らえる狩りこと
小鷹野 こたかの
初鷹 はつたか
初鷹狩 はつたかがり
初鷹野 はつたかの
初鳥狩 はつとりがり
初広野 はつひろの
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食
さしさば
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サバの背開きの塩漬けし、2尾を重ねて頭のところで刺し連ねて、一刺しにした乾物
盆の時期に、生御魂行事*いきみたまぎょうじ
/ 祖霊を敬うとともに、生きている親や親戚の長寿を願って行われる行事の一環として、両親や親戚*しんせきに贈られるもの
差鯖 さしさば
盆肴 ぼんざかな
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農事
しんしぶ
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その年に収穫*しゅうかくした渋柿*しぶがきから新しく絞り取った渋
渋は、防水性を高めるために番傘*ばんがさや渋紙*しぶがみなどに利用される
一番渋 いちばんしぶ
生渋 きしぶ
今年渋 ことししぶ
しねしぶ
二番渋 にばんしぶ
古渋 ふるしぶ
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食
しんどうふ
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秋に収穫*しゅうかくされた大豆でつくられた豆腐
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書道
すずりあらい
すずりあらひ
七夕の前夜に行われる、習字や学問の上達を祈って、硯や筆、机などを洗い清めること
机洗う つくえあらう
硯洗う すずりあらう
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スポーツ
すもう
すまふ
日本固有の競技
まわしを締めた裸の2人の力士が、土俵内で取り組み、相手を倒すか土俵の外へ出すかして勝負を争う
相撲が神事として、旧暦 7月に宮中で相撲節会*すまいのせちえが行われていたことから秋の季語となった
江戸相撲 えどずもう
大相撲 おおずもう
大関 おおぜき
角觝 かくてい
上方相撲 かみがたずもう
勝相撲 かちずもう
草相撲 くさずもう
すまい
相撲節会 すまいのせちえ
すまひ
角力 すもう
相撲取 すもうとり
相撲場 すもうば
相撲番付 すもうばんづけ
相撲触れ すもうぶれ
関取 せきとり
辻相撲 つじずもう
土俵 どひょう
土俵入り どひょういり
負相撲 まけずもう
宮相撲 みやずもう
櫓太鼓 やぐらだいこ
横綱 よこづな
夜相撲 よずもう
力士 りきし、ちからひと
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せったい
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客をもてなすこと
旧暦 7月に、各寺院の摂待所で参拝者*さんぱいしゃに湯や茶を振る舞うこと
門茶 かどちゃ
接待、攝待 せったい
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漁猟
たかうち
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鷹狩りの若鷹を捕*とらえること
秋から冬にかけて、餌*えさを求めるタカを、木の間に網を張り死んだ鳥をおとりにして捕まえること
荒鷹 あらたか
鷹打所 たかうちどころ
鷹網 たかあみ
鳥屋 とりや
待網掛 まちあみがけ
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習俗
つといり
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旧暦7月16日に、他人の家に勝手にはいりこみ、その家の秘蔵*ひぞう
/ 非常に大切にして、人にあまり見せずにしまっておくことする宝物や妻女*さいじょ
/ 妻と娘などを、遠慮*えんりょなく見るのを許された風習
衝突入 つといり
盆のつと入 ぼんのつといり
山田のつと入 やまだのつといり
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食
とうがじる
とうぐわじる
夏場に収穫される冬瓜を使った汁物
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生活雑貨
とうろう
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あかりの火が風などで消えないように、竹、木、石、金属、ガラスなどで作った囲いをした照明器具
盂蘭盆会*うらぼんえで、先祖の霊を供養*くようし、仏に感謝*かんしゃするために用いられる燈籠
揚提灯、揚燈籠 あげちょうちん
絵燈籠 えどうろう
折掛 おりかけ
折掛燈籠 おりかけどうろう
切子 きりこ
切子燈籠 きりこどうろう
高燈籠 たかとうろう
燈籠見物 とうろうけんぶつ
燈籠店 とうろうてん
軒燈籠 のきどうろう
墓燈籠 はかどうろう
花燈籠 はなどうろう
舟燈籠 ふなどうろう
盆提灯、盆提燈 ぼんじょうちん
盆燈籠 ぼんとうろう
灯籠 とうろう
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習俗
なすびのうま
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お盆に飾るお供え物
お盆の時期にナスとキュウリで作る、ご先祖様の霊が、この世とあの世を行き来するために乗る乗り物
ナスの馬に乗って祖先の霊が訪れて、またナスの馬に乗って帰るとされている
瓜の牛 うりのうし
瓜の馬 うりのうま
送馬 おくりうま
精霊牛 しょうりょううし
精霊馬 しょうりょううま
茄子の牛 なすのうし
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労働
にわきかる
にはきかる
夏の間に伸びた庭木の枝や葉を刈ること
秋手入れ あきていれ
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労働
のちのやぶいり
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旧暦7月16日頃の盆の時期に、奉公人*ほうこうにんが休暇*きゅうかをもらって実家に帰ること
秋の藪入 あきのやぶいり
親見参 おやけんざ
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農事
はちがつだいみょう
はちぐわつだいみやう
8月の農閑期*のうかんき
/ 農作業が少ない時期の農家のこと
農家にとって一年のうちで最も仕事が少ない旧暦 8月に、客を招いて少し贅沢*ぜいたくな酒肴*さけさかなを用意したり、普段よりも豪華*ごうかな食事をしたりして、ちょっとした大名気分を味わいゆっくり休むこと
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漁猟
はとふく
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漁猟
両手を組み合わせて息を吹き込み、ハトの鳴き声を真似*まねること
鳩笛 はとぶえ
鳩吹く風 はとふくかぜ
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娯楽
はなび
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火薬と金属の粉末を混ぜて包んだもの
花火玉を筒に入れて、または少量の火薬を紙などにより込んだものに火をつけて、光や色、音などを楽しむ
揚花火 あげはなび
打上花火 しかけはなび
金魚花火 きんぎょはなび
仕掛花火 しかけはなび
手花火 てはなび
遠花火 とおはなび
煙花、煙火 はなび
花火大会 はなびたいかい
花火番付 はなびばんづけ
花火舟 はなびぶね
花火見 はなびみ
昼花火 ひるはなび
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習俗
ひさぎのはをいただく
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中国唐時代の風俗
中国の立秋の日に、子供たちがヒサギの葉を花の形に作って、頭の上にかざしたもの
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農事
ほっぷつむ
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クワ科の蔓性多年草
初秋に、ビール醸造に使われるホップの実*毬花 まりばな を収穫すること
唐花草 からはなそう
ホップ摘 ほっぷつみ
ホップの花 ほっぷのはな
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芸能
ぼんきょうげん
ぼんきやうげん
盆の頃に行われる歌舞伎興行*かぶきこうぎょう
盆替り ぼんがわり
盆芝居 ぼんしばい
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労働
ぼんせっき
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旧暦7月の盆の前の、貸借を決済する時期
盆勘定 ぼんかんじょう
盆の掛け ぼんのかけ
盆の掛乞 ぼんのかけこい
盆払い ぼんばらい
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ぼんばな
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習俗
盂蘭盆*うらぼんに、山野から萩やキキョウ、仏桑花*ぶっそうげなどを取ってきて、盆棚に飾る花
お花取 おはなとり
精霊花 しょうろうばな
花枝折 はなえだおり
花取日 はなとりび
盆花売 ぼんばなうり
盆花折 ぼんばなおり
盆花迎え ぼんばなむかえ
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労働
ぼんみち
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盂蘭盆*うらぼんの精霊*しょうりょう迎えのために、墓から家までの草を刈り、道を整えること
精霊路 しょうろうみち
朔日路 ついたちみち
路刈 みちかり
路刈作り みちかりつくり
路薙ぎ みちなぎ
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習俗
ぼんやすみ
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お盆のころに、多くの企業や学校で設けられる休暇*きゅうか
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習俗
まこものうま
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真菰の葉や藁*わらを束ねてつくる馬
七夕では、織姫と彦星が再会するための馬として、お盆では精霊*せいれいが乗る馬として飾られる
瓜の馬 うりのうま
草刈馬 くさかりうま
七夕馬 たなばたうま
真菰馬 まこもうま
迎馬 むかえうま
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