植物
その季節に生育が活発になる草花や果実、海藻などの植物を表わす季語。
草花
あさがおのみ
あさがほのみ
ヒルガオ科サツマイモ属の一年草
初秋に朝顔の花がしぼんだ後に子房が残ってできる実
牽牛子 けんぎゅう、けんぎう
種朝顔 たねあさがお
―
草花
あしのほわた
―
晩秋に蘆の花穂が熟して、白色の絮を吹き、風に吹かれて飛び散るもの
蘆の穂、芦の穂 あしのほ
芦の穂絮 あしのほわた
―
草花
あっけしそう
あつけしさう
アカザ科の一年草
珊瑚草 さんごそう
浜杉 はますぎ
浜松 はままつ
谷地珊瑚 やちさんご
―
菌類
いくち
―
イグチ目のキノコの総称
網茸 あみたけ
粟茸 あわたけ
栗いぐち くりいぐち
麹茸 こうじたけ
滑猪口 ぬめりいぐち
―
木の実
いちいのみ
いちゐのみ
イチイ科の常緑高木
9月ごろに赤い実が熟す
あららぎの実 あららぎのみ
おんこの実 おんこのみ
伽羅木の実 きゃらぼくのみ
―
樹木
いちじく
―
クワ科の落葉小高木
青無花果 あおいちじく
唐柿 とうがき
ほろろいし
―
樹木
いちょうちる
いてふちる
黄色く色づいた銀杏が落葉すること
銀杏落葉 いちょうおちば
―
樹木
いちょうもみじ
いてふもみぢ
銀杏が黄色く色づくこと
―
―
木の実
いばらのみ
―
バラ科の落葉性のつる性低木
秋になると真紅色の実が熟す
野茨の実 のいばらのみ
―
樹木
いろかえぬまつ
―
紅葉して葉を散らしてゆく木々が多い中で、緑のまま葉の色を変えずに緑を保ち続ける松
色変えぬ杉 いろかえぬすぎ
色不変松 いろかえぬまつ
杉の変らぬ色 すぎのかわらぬいろ
松の変らぬ色 まつのかわらぬいろ
―
菌類
いわたけ
いはたけ
日本各地の山地の岩上に生ずる、イワタケ科の地衣類*ちいるい
/ 菌類のうち、藻類を共生させることで自活できるようになった生物の一種
岩茸採り いわたけとり
高嶺岩茸 たかねいわたけ
―
樹木
うめもどき
―
モチノキ科の落葉低木
梅嫌、落霜紅 うめもどき
―
樹木 草花
うらがれ
―
木々の枝先や葉の先の方から枯れ始めること
末枯るる うらがるる
―
木の実
うるしのみ
―
ウルシ科ウルシ属の落葉高木
秋に淡黄色の扁球形*へんきゅうけいの実が熟す
―
―
樹木
うるしもみじ
うるしもみぢ
ウルシ科ウルシ属の落葉高木
漆の葉が紅葉すること
―
―
菌類
えのきたけ
―
キシメジ科のキノコ
滑薄 なめすすき
滑茸 なめたけ
雪茸 ゆきたけ
―
樹木
えのきのみ
えのみ
―
ニレ科エノキ属の落葉高木
10月ごろに、小豆くらいの大きさの球状の赤褐色の実が熟す
―
―
穀物
おくて
―
晩秋に実る稲
おく
おしね
室のおしね むろのおしね
―
穀物
おちぼ
―
稲刈りの際に、田や畦道に落ち散ったままになっている稲・麦などの穂
落穂拾 おちぼひろい
―
草花
おもとのみ
―
ユリ科の多年草
晩秋に深紅の実が熟す
万年青の実 おもとのみ
―
果樹
おりーぶのみ
―
モクセイ科の常緑樹
秋に青い実が熟す
オリーヴの実 おりーぶのみ
―
樹木
かえで
かへで
カエデ科カエデ属の落葉高木
秋になると葉が赤や黄色に色づき、美しい景観を作り出すことから、紅葉の代表的な植物として知られている
麻の葉かえで あさのはかえで
板屋かえで いたやかえで
いろはかえで
鶏冠木 かえで
楓紅葉 かえでこうよう、かえでもみじ
かえるで
きれにしき
紅楓 こうふう
高尾かえで たかおかえで
高尾紅葉 たかおもみじ
縮緬かえで ちりめんかえで
唐かえで とうかえで
羽団扇かえで はうちわかえで
一つ手かえで ひとつでかえで
三つ手かえで みつでかえで
嶺かえで みねかえで
名月かえで めいげつかえで
山紅葉 やまもみじ
―
野菜 根菜
かえんさい
―
アカザ科の一・二年草
あかな
さんごじゆな
テーブルビート
ビート
―
果樹
かき
―
カキノキ科の落葉高木
会津身知らず あいずみしらず
赤柿 あかがき
甘柿 あまがき
うみ柿 うみがき
柿膾 かきなます
柿の秋 かきのあき
柿の蔕落 かきのほぞおち
柿店 かきみせ
祗園坊 ぎおんぼう
きざ柿 きざがき
きざらし
きざわし
伽羅柿 きゃらがき
御所柿 ごしょがき
木練 こねり
ころ柿 ころがき
西条柿 さいじょうがき
渋柿 しぶがき
熟柿 じゅくし
次郎柿 じろうがき
禅寺丸 ぜんじまる
樽柿 たるがき
鶴の子 つるのこ
似柿 にたりがき
蜂屋柿 はちやがき
百目柿 ひゃくめがき
平核無 ひらたねなし
富有柿 ふゆうがき
豆柿 まめがき
身不知柿 みしらずがき
山柿 やまがき
―
果樹
かきもみじ
かきもみぢ
カキノキ科の落葉高木
柿の葉が朱色・紅色・黄色の入り混じって紅葉すること
―
―
木の実
かしのみ
―
ブナ科コナラ属の落葉高木
秋に褐色の硬い実を熟す
橿の実 かしのみ
―
樹木
―
―
スイカズラ科ガマズミ属の落葉低木
―
―
木の実
かやのみ
―
イチイ科の針葉樹
10月頃に熟し、緑色の外皮から紫褐色に変わり、裂けて種子が落ちる
新榧子 しんかや
―
草花
からすうり
―
ウリ科カラスウリ属の多年草
王瓜 からすうり
―
木の実
からたちのみ
きこくのみ
―
ミカン科カラタチ属の落葉低木
秋になると芳香のある小さな実を熟す
枸橘 くきつ
―
果樹
かりん
―
バラ科ボケ属の落葉高木
海棠木瓜 かいどうぼけ
唐梨 からなし
榠櫨の実 かりんのみ
きぼけ
―
樹木
きささげ
―
ノウゼンカズラ科キササゲ属の落葉高木
楸 ひさぎ
―
菌類
きのこ
―
晩秋に山林の湿地や朽木などに生える大型の菌類の俗称
羊肚菜 いくち
茸売 きのこうり
茸番 きのこばん
茸飯 きのこめし
くさびら
黒皮茸 くろかわたけ
煙茸 けむりたけ
猪茸 ししたけ
茸山 たけやま
楢茸 ならたけ
作り茸 つくりたけ
天狗茸 てんぐたけ
マッシュルーム
―
果樹
きんかん
―
ミカン科キンカン属の常緑低木
金橘 きんきつ
姫橘 ひめきつ
―
木の実
ぎんなん
―
イチョウ科イチョウ属の落葉高木
イチョウが黄葉する頃に、雌の株に黄色く熟す丸い実
銀杏の実 いちょうのみ
―
木の実
くこのみ
―
ナス科クコ属の落葉小低木
10月頃に赤い実を熟す
枸杞子 くこし
枸杞酒 くこしゅ
―
くさぎのみ
―
クマツヅラ科クサギ属の落葉小高木
晩秋に青紫色の光沢のある実を熟す
常山木の実 くさぎのみ
―
草花
くさもみじ
くさもみぢ
晩秋に山野の草々が色づいて紅葉のように見えること
色づく草 いろづくくさ
草の錦 くさのにしき
草の紅葉 くさのもみじ
蓼紅葉 たでもみじ
―
木の実
くすのみ
―
クスノキ科の常緑高木
晩秋から初冬にかけて、大豆ほどの大きさの黒い実を熟す
楠の実 くすのきのみ
―
樹木
くぬぎもみじ
くぬぎもみぢ
ブナ科の落葉高木
晩秋にクヌギの葉が色づくこと
―
―
果樹
くねんぼ
―
ミカン科ミカン属の常緑樹
くねぶ
香橙 こうとう
乳柑 にゅうかん
―
果樹
―
―
グミ科グミ属の落葉小高木
晩秋に赤い実を熟す
秋茱萸 あきぐみ
茱萸酒 ぐみざけ
霜茱萸 しもぐみ
―
果樹
くり
―
ブナ科クリ属の落葉高木
毬栗 いがぐり
笑栗 えみぐり
落栗 おちぐり
栗鹿の子 くりかのこ
栗きんとん(くりきんとん
栗林 くりばやし
栗拾 くりひろい
栗饅頭 くりまんじゅう
栗山 くりやま
ささ栗 ささぐり
柴栗 しばぐり
丹波栗 たんばぐり
出落栗 でおちぐり
一ツ栗 ひとつぐり
マロングラッセ
三ツ栗 みつぐり
虚栗 みなしぐり
焼栗 やきぐり
山栗 やまぐり
ゆで栗 ゆでぐり
―
菌類
くりたけ
―
モエギタケ科の茸
栗もたし くりもたし
苦栗茸 にがぐりたけ
―
果樹
くるみ
―
クルミ科の落葉高木
鬼胡桃 おにくるみ
胡桃割る くるみわる
沢胡桃 さわくるみ
野胡桃 のくるみ
姫胡桃 ひめくるみ
―
樹木
けんぽなし
―
クロウメモドキ科の落葉高木
玄圃梨 けんぽなし
―
果樹
こうじ
かうじ
ミカン科ミカン属の常緑低木
ミカンよりも小ぶりで皮が薄く、酸味が強い実を熟す
薄皮蜜柑 うすかわみかん
柑子蜜柑 こうじみかん
―
樹木
こうらく
くわうらく
広葉樹が黄色く色づいて落ちること
黄落期 こうらくき
草木黄落 そうもくこうらく
―
苔類
こけもみじ
―
岩や木、地面などを覆う苔と、周囲の紅葉が織りなす自然の美しい風景
―
―
木の実
このみ
―
クヌギ・トチ・シイ・カシ・ムク・カヤ・クリなど木になる実の総称
木の実 きのみ
木の実雨 このみあめ
木の実落つ このみおつ
木の実独楽 このみごま
木の実時雨 このみしぐれ
木の実時 このみどき
木の実拾ふ このみひろう
木の実降る このみふる
―
樹木
こむらさき
―
シソ科ムラサキシキブ属の落葉低木
―
―
樹木
さいかち
―
マメ科の落葉高木
かわらふじのき
鶏栖子 けいせいし
さいかし
皀萊 さいかち
皀角子の実 さいかちのみ
―
草花
さふらんのはな
―
ヒユ科の一年草
秋に赤い花を咲かせる
サフラン
洎芙藍 さふらん
サフランの花 さふらんのはな
―
果樹
ざぼん
―
ミカン科ミカン属の常緑高木
うちむらさき
ざんぼ
ざんぼあ
晩白柚 ばんぺいゆ
文旦 ぶんたん
ぼんたん
―
菌類
さるのこしかけ
―
サルノコシカケ科のキノコの総称
胡孫眼 こそんがん
猿茸 ましらたけ
万年茸 まんねんたけ
霊芝 れいし
―
草花
ざんぎく
―
重陽の節句*ちょうようのせっくを過ぎたあとに咲き残っている菊
―
―
樹木
さんごじゅ
―
スイカズラ科ガマズミ属の常緑低木
きさんご
さんごじゅ
―
木の実
さんしゅゆのみ
―
ミズキ科ミズキ属の落葉高木
秋に赤い実をつける
秋珊瑚 あきさんご
やまぐみ
―
木の実
しいのみ
しひのみ
ブナ科の常緑高木の実
落椎 おちしい
椎の秋 しいのあき
椎拾ふ しいひろう
―
木の実
しどみのみ
―
バラ科の落葉低木
秋に黄色い実を熟す
草木瓜の実 くさぼけのみ
地梨 じなし
のぼけ
―
果樹
しなのがき
―
カキノキ科の落葉小高木
君遷子 くんせんし
小柿 こがき
猿柿 さるがき
葡萄柿 ぶどうがき
豆柿 まめがき
―
菌類
しめじ
しめぢ
マツタケ科のキノコ
一本しめぢ いっぽんしめぢ、いっぽんしめじ
湿地茸、濕地茸、占地 しめじ
千本しめぢ せんぼんしめぢ、せんぼんしめじ
本しめじ ほんしめぢ、ほんしめじ
―
果樹
じゅくし
―
カキノキ科の落葉高木
よく熟して柔らかくなった柿
熟れ柿 うれがき
―
草花
じゅずだま
―
イネ科ジュズダマ属の多年草
ずずこ
数珠玉 ずずだま
ずずだま
唐麦 とうむぎ
―
樹木
しんちぢり
―
マツ科マツ属の常緑針葉樹
その年に新しくできた青い松毬*まつかさ
青松笠 あおまつがさ
松ふぐり まつふぐり
松ぼくり まつぼくり
―
草花
しんわた
―
アオイ科ワタ属の多年草
その年に収穫した綿の実からとった綿の繊維*せんい
今年綿 ことしわた
古綿 ふるわた
―
木の実
すぎのみ
―
スギ科スギ属の常緑高木
晩秋に熟して褐色をした木質になり、鱗片がはじけて種子を飛ばす
―
―
草花
せんきゅうのはな
―
セリ科の多年草
秋に白い小さな花を咲かせる
おんなかずら
芎藭 せんきゅう
―
木の実
せんだんのみ
―
センダン科の落葉喬木
晩秋に黄色い実を熟す
あふちの実 おうちのみ
楝の実 おうちのみ
金鈴子 きんれいし
苦楝子 くれんし
―
樹木
ぞうきもみじ
ざふきもみぢ
カエデやイチョウのような「名木紅葉*なのきのもみじ」に対して、山林に群生*ぐんせいするさまざまな種類の樹木の紅葉について用いる総称
―
―
疑似穀物
そば
―
タデ科ソバ属の一年草
―
―
果樹
だいだい
―
ミカン科の常緑低木
回青橙 かいせいとう
かぶす
―
果樹
たちばな
―
ミカン科の常緑小高木
日本古来から自生する野生の柑橘類
―
―
野菜 果菜類
たねなす
―
ナス科ナス属の多年草
種子を採るために収穫せずに残しておいたナス
―
―
野菜 果菜類
たねふくべ
―
ユウガオ・ヒョウタンなど、のウリ科ユウガオ属の蔓性一年草
種を採取するための瓢*ふくべ
―
―
菌類
たまごたけ
―
テングタケ科のキノコ
―
―
樹木
たまみずき
たまみづき
モチノキ科モチノキ属の落葉高木
―
―
樹木
つたもみじ
―
晩秋に紅葉したツタの葉
―
―
樹木
つるうめもどき
―
ニシキギ科の蔓性落葉低木
蔓落霜紅 つるうめもどき
―
樹木
てりは
―
紅葉した葉が光を反射して照り輝いていること
照紅葉 てりもみじ
―
菌類
てんぐたけ
―
テングタケ科の毒キノコ
卵天狗茸 たまごてんぐたけ
蠅取茸 はえとりたけ
紅天狗茸 べにてんぐたけ
―
てんさい
―
ヒユ科フダンソウ属の越年草
砂糖の原料となる植物
砂糖萵苣 さとうちしゃ
砂糖大根 さとうだいこん
―
木の実
とちのみ
―
トチノキ科の落葉高木
栃の木の実
橡団子 とちだんご
栃の実 とちのみ
橡餅 とちもち
―
木の実
とべらのみ
―
トベラ科トベラ属の常緑低木
―
―
木の実
きりゆのみ
とゆのみ
―
トウダイグサ科アブラギリ属の落葉高木
油桐の実 あぶらぎりのみ
―
木の実
どんぐり
―
クヌギ、ナラ、カシなどのブナ科の落葉樹の実の総称
櫟の実 くぬぎのみ
団栗独楽 どんぐりごま
団栗餅 どんぐりもち
―
穀物
なかて
―
早稲*わせと晩稲*おくての中間に稔る稲
―
―
木の実
ななかまどのみ
―
バラ科の落葉高木
七竈の赤い実
七竈、野槐 ななかまど
七竈紅葉 ななかまどこうよう
七竈の実 ななかまどのみ
―
樹木
なのきちる
―
ブナやコナラ、カシなど、名前がよく知られている木が葉を落とすこと
楢散る ならちる
柞散る ははそちる
檀散る まゆみちる
―
菌類
ならたけ
―
キシメジ科ナラタケ属のキノコ
―
―